2011年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース

材料強度学(Advanced Strength of Materials)[3C02]

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2単位
柴田 浩司 非常勤講師

最終更新日 : 2012/03/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
機械装置あるいは部品の設計、使用に際しては、材料の力学的特性値を考慮することが必須である。本講義では、金属材料を中心とする結晶性材料の、主に一軸応力下における力学的材料特性値の決定要因、工学的意味を学び、機械装置あるいは部品の設計、使用において、材料を有効かつ安全に使いこなす知識を習得する。
(JABEE学習・教育目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:基礎工学・専門工学知識の習得◎
(JABEEキーワード)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:眞応力、眞ひずみ、弾性、塑性、転位、破壊、破壊力学、疲労、損傷許容設計、クリープ、材料試験法
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
本科目を履修する前に、数値材料力学、金属材料工学を習得しておくことが望ましい。また、並行して信頼性工学を履修することが望ましい。

<授業計画及び準備学習>
準備学習:毎回の講義ごとに、教科書の該当箇所を予習してくること。
1. 変形の基礎1  眞応力-眞ひずみ曲線、弾性塑性、すべり系
2. 変形の基礎2  材料の変形と転位、すべり面、すべり方向、せん断変形
3. 変形の基礎3  転位の基本的性質、変形速度と温度の効果
4. 強化機構1  結晶粒の微細化、固溶強化、ひずみ時効
5. 強化機構2  析出・分散強化、複合強化、加工強化
6. 破壊の基礎1   延性破壊、脆性破壊、延性-脆性遷移、Griffithの理論
7. 学習成果の確認:中間試験
8. 破壊の基礎2   破面解析(フラクトグラフィー)、破壊の統計的性質
9. 破壊の基礎3   破壊力学、破壊靭性、応力拡大係数、破壊靭性値
10. 疲労       S-N曲線、耐久限度線図、Manson-Coffinの法則、
累積損傷則、切り欠き効果、表面効果、損傷許容設計
11. 高温における変形と破壊  クリープ、寿命予測、耐熱材料
12. 環境破壊      環境強度、応力腐食割れ、遅れ破壊、液体脆化
13. 非金属材料の強度と破壊 セラミックス、アモルファス合金、金属間化合物
14. 材料試験法    引張試験、硬さ試験、衝撃試験、破壊靭性試験、クリープ試験
15.学習成果の確認:期末試験

<成績評価方法及び水準>
講義のたびに小テスト、数回レポートを課す。配点割合は、(小テスト+レポート)が30点、(中間テスト+期末テスト)が70点(多少変化することもある)。総合点が60点以上を合格とする。ただし、総合点が60点が近く希望する者にはレポートを課し、レポートの成績が良ければ合格とする。

<教科書>
「材料強度学要論 改訂増補」 朝倉書店 小寺沢良一著

<参考書>
「演習 材料強度学入門」 大河出版 砂田久吉著
「材料強度学」 日本材料学会

<オフィスアワー>
講義前後の30分(講師室)
その他の時間:e-メールで対応します  kojishibata@jcn.m-net.ne.jp

<学生へのメッセージ>
材料の変形や破壊に関する特性は、材料の使い方で大きく変化します。どんなに優れた材料でも、知識不足のために使い方を間違えると、簡単に変形したり、破壊して事故の原因になることもあります。この講義をつうじて、材料を安全、安心に使うための基礎知識を身につけていただければ幸いです。

 

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