2011年度工学院大学 第1部機械工学科
△化学I(Chemistry I)[4553]
2単位 高山 俊夫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工学部の学生として材料・構造について深く理解するために学んでおかなければならない基礎科目の1つである、「化学I」を原子・分子に着目することによって理解することを試みる。現在の言葉で言えば、ナノサイズの世界を創造できるようにすることが目標となる。概念で分かったと思っていても、実際理解し身についているかの繰り返しの自己学習が求められる。履修する前と後で材料・構造の見方が違ってきたなあ!?と思わせるように講義する。JABEEの履修条件も考慮すること。
- <授業計画及び準備学習>
- 1
ガイダンス:「化学」とはなにか?何を求める学問なのか?のアンケートをとる。原子のおいたちについてのビデオを鑑賞する。 2 ボーアの水素原子模型:量子化学以前の原子の模型での原子像について、説明できることと出来ないことについて解説する。 波動方程式について概説する。 3 元素の周期性:元素が無分別に存在しているのではなく、一定の周期性をもってある集団としてグループ化できることを理解する。メンデレーフの周期表を中心に講義する。 4 化学結合(I):イオン結合と金属結合について説明する。 イオン化エネルギー、電子親和力の考え方を理解する。 5 化学結合(II):共有結合、混成軌道について解説する。 水素分子の存在を分子軌道法で明らかにする。ルイス構造を理解する。 6 化学結合(III):分子構造、結合エネルギー、電気陰性度について考察する。 結合の分極・極性とは何か? 7 固体の性質:結晶構造、半導体、液晶について説明する。 金属は高温になるとなぜ電気伝導度が小さくなるのか?について学ぶ。 8 反応速度と化学平衡:反応速度、化学平衡とは何かを説明する。反応を高めるにはどのような条件が必要か?活性化エネルギーとは何か? 9 酸と塩基:水のイオン積とpH, 電離度と電離定数について説明し、緩衝溶液についても講義する。 10 酸化と還元:イオン化傾向、電池の原理、標準電極電位について講義する。 燃料電池、リチウム二次電池について概説する。 11 熱エネルギーと化学反応:熱力学第一法則、化学反応と熱について講義する。 12 簡単な有機化合物:脂肪族化合物、芳香族化合物について講義する。 炭素―炭素共有結合を理解する。 13 高分子化合物:繊維、合成樹脂、ゴムについて講義する。 14 生体関連物質:タンパク質、酵素、核酸について講義する。 15 学期末試験 学修度の程度は問わないので教科書の予習と復習を行うようにしてください。
- <成績評価方法及び水準>
- (小テスト・レポート)20点および定期試験80点による総合評価。元素の周期性、元素各論、電気陰性度、イオン結合、電子軌道の型、共有結合、分子軌道法、錯体化学、有機化学の基礎、が理解できれば合格(60点)
- <教科書>
- 「化学の視点」川泉文男著、学術図書出版を中心に行う。適時プリントを配布する。
- <参考書>
- 興味のある学生は「基礎からの無機化学」山村博、門間英毅、高山俊夫共著(朝倉書店)を参考にされたい。
- <オフィスアワー>
- 原則、授業前と後の時間及び質問書への解答として対応する。
- <学生へのメッセージ>
- 電子軌道の型、電気陰性度、イオン結合、共有結合、分子軌道法、錯体化学、有機化学、どのようにして分子ができるの?どのようにして分子の形が決まるの?水に溶けたり、溶けなかったりする物質がどうしてあるの? 等を理解してください。適時、理解を深めるために演習問題を解く。出席は必須条件です。
- <備考>
- 時間内に理解できなかったことを質問書として受け取り、次週に説明する。視覚に強く訴えるために、パワーポイントを使う。
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