2011年度工学院大学 第1部機械工学科
△化学実験(Experiments in Chemistry)[4201]
1単位 徳永 健 助教 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 一般教養としての基礎的な化学の実験を通じ、自然現象に対する洞察力を磨き、科学的な広い視野を養うことを目標とする。
以下に具体的な達成内容を示す。
1. 基本的な化学実験器具の使用法を習得する 2. 安全と環境に配慮した化学薬品の取り扱い方法を習得する 3. 予習方法・実験ノートの取り方を習得する 4. 実験レポートの作成方法を習得する
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」: (情報と計測・制御) ◎、(エネルギーと流れ) 〇 (JABEE個別キーワード) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」: 単位と標準、不確かさと精度、相変化 (前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目の履修にあたって前提知識は必要としない。本科目を履修することにより、今後の研究活動に必要な化学の基礎的知識を身に付けることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 実験は各個人で行う。上記目標を達成するための具体的な実験テーマは、
【第2 - 7回: 無機定性分析実験】 水溶液中の金属イオンの分離・検出を行う。 【第8 - 10回: 定量分析実験】 アルカリを用いた酸の濃度決定を行う。 【第11回: 無機合成実験】 硫酸銅の製造および精製を行う。 【第12回: 物理化学実験】 水の精製と、その純度を決定するための測定を行う。 【第13回: 有機合成実験】 合成繊維ナイロン6,10の合成を行う。
各週のスケジュールは以下の予定。
1. 化学実験の説明(実験ガイダンス・全般的な注意) [学習内容] 実験内容、安全に関する注意、予習・レポートの書き方の説明を行う。 [学習準備] 特に必要ない。 2. 無機陽イオンの各個反応1(Ag+, Pb2+, Cu2+) [学習内容] Ag+, Pb2+, Cu2+各イオンの存在を確認するための化学反応を行う。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 3. 無機陽イオンの各個反応2(Al3+, Fe3+, Cr3+, Co2+, Ni2+) [学習内容] Al3+, Fe3+, Cr3+, Co2+, Ni2+各イオンの存在を確認するための化学反応を行う。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 4. I属イオン(Ag+, Hg22+, Pb2+)の系統的分析 [学習内容] Ag+, Hg22+, Pb2+イオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 5. III属イオン(Al3+, Fe3+, Cr3+, Mn2+, Mn4+)の系統的分析 [学習内容] Al3+, Fe3+, Cr3+, Mn2+, Mn4+イオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 6. 第I, III属イオンの混合試料分析 [学習内容] 第5, 6回実験で扱ったイオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 7. 第I, III属イオンの未知試料分析 [学習内容] 第5, 6回実験で扱ったイオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。ただし、どのイオンが含まれているかは、各個人により異なる。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 8. 酸塩基指示薬の性質 [学習内容] 様々な指示薬を用い、pHの変化に伴う溶液の色の変化を観察する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 9. アルカリ標準液による酸の定量 [学習内容] 濃度の分かっているアルカリを用いて、酸の濃度を決定する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 10. 市販食酢の定量 [学習内容] 濃度既知のアルカリを用いて、市販食酢中の酢酸の濃度を決定する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 11. 硫酸銅の合成と精製 [学習内容] 硫酸銅を合成し、再結晶法による精製を行う。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 12. 水道水の蒸留 [学習内容] 水道水を蒸留することにより精製し、比抵抗の測定によりその純度を決定する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 13. ナイロンの合成 [学習内容] ヘキサメチレンジアミンと塩化セバコイルから合成繊維ナイロン6,10を合成する。 [学習準備] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 14. まとめ実験 [学習内容] 第2-13回の実験の中で、上手く行かなかった実験やもう一度トライしたい実験を行う。 [学習準備] 第2-13回の実験を復習しておくこと。 15. レポート・課題に関する質問 [学習内容] 化学実験の内容、レポート、課題に関する質問に答える。 [学習準備] 実験の復習をし、事前に質問箇所をピックアップしておくこと。
- <成績評価方法及び水準>
- 試験は行わない。レポートで成績評価し、合計点が60点以上の者に単位を認める。実験への遅刻・レポートの提出遅れ等は減点する。また、3回以上欠席した場合は、評価の対象外とする。「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(情報と計測・制御)(エネルギーと流れ)は、上記の評価基準を満たせば達成される。
- <教科書>
- 教材はプリントを使用する。(第1回に配布予定)
- <参考書>
- 「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」数研出版編集部編(数研出版)
- <オフィスアワー>
- 特に指定しない。質問及び相談は随時受け付けますが、事前に電子メール等で質問内容を連絡してもらったほうが迅速・的確に対応できると思います。メールの宛て先は ft13309@ns.kogakuin.ac.jp まで。
- <学生へのメッセージ>
- 予習→実験→実験結果の記録・整理→レポート作成という一連の作業を通じて、実験結果を科学的視野から洞察する能力を身につけてもらう。色の変化や沈殿の生成など、興味を持ちながら実験を行ってください。実験直前に初めて教材プリントを見るようでは、実験中に慌てて事故につながりかねません。安全かつ手際良く実験を行うため、事前に予習を行うこと。このため、実験ノートの準備を必須とする。
- <参考ホームページアドレス>
- http://tokunaga.web.infoseek.co.jp/
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