2010年度工学院大学 教職課程科目
△工業教育の研究B(Study of Industrial Education B)[9201]
4単位 斉藤 武雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- (ねらい)
わが国の公的職業教育において最大規模を構成している、高校工業教育の意義と役割を明確にし、拡充・発展の筋道を探る。具体的には、高校工業教育の直面している課題の分析を3つの視点(歴史、社会的基盤、諸外国の工業教育)で行い、現場教師の優れた実践記録の分析を通して、実践の道筋を明らかにする。また、戦後の高校工業教育の歴史的な変遷を辿り、今後に受け継ぐべき内容と方法を検討する。 (到達目標) 1.学校教育法や青年の自立の課題に照らして、高校工業教育の意義と役割を明確にでき ること。 2.今日の高校工業教育の課題の本質を分析できること。 3.高校工業教育の拡充・発展の筋道を、実際の授業づくりなどに則して実践的に展望できること。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 導入
準備学習:「高校工業教育の研究」で何を学ぶかを調べる 2. 高校工業教育の概要と課題1(概論) 準備学習:高校工業教育の概要を課題について調べる 3. 高校工業教育の概要と課題2(高校教育の課題と工業教育) 準備学習:高校教育の課題と工業教育のかかわりについて調べる 4. 高校工業教育の概要と課題3(産業構造の変化と高校工業教育) 準備学習:産業構造の変化と高校工業教育のかかわりについて調べる 5. 高校工業教育の役割と目標1(概論) 準備学習:高校工業教育の役割と目標の概要について調べる 6. 高校工業教育の役割と目標2(歴史) 準備学習:高校工業教育の役割と目標を歴史的視点で調べる 7. 高校工業教育の役割と目標3(社会的基盤) 準備学習:高校工業教育の役割と目標を社会的基盤から調べる 8. 高校工業教育の役割と目標4(諸外国の工業教育との比較) 準備学習:高校工業教育の役割と目標を諸外国の工業教育との比較で調べる 9. 高校工業教育の役割と目標5(技術・職業教育の世界標準) 準備学習:高校工業教育の役割と目標を技術・職業教育の世界標準から調べる 10. 高校工業教育の教育課程1(概論) 準備学習:高校工業教育の教育課程の概要を調べる 11. 高校工業教育の教育課程2(教育課程の原理) 準備学習:高校工業教育の教育課程を教育課程の原理から調べる 12. 高校工業教育の教育課程3(学習指導要領及び工業科の情報機器の活用) 準備学習:高校工業教育の教育課程を学習指導要領及び工業科の情報機器の活用の面から調べる 13. 高校工業教育の教育課程4(専門学校 高専、職業訓練校、企業内教育との比較) 準備学習:高校工業教育の教育課程を専門学校 高専、職業訓練校、企業内教育との比較で調べる 14. 高校工業教育の教育課程5(地域、企業、博物館、産業遺産等との関わり) 準備学習:高校工業教育の教育課程を地域、企業、博物館、産業遺産等との関わりで調べる 15. 前期まとめ 準備学習:前期の総復習をする 16. 高校工業教育の実践記録の分析1(教科指導と教材の活用・座学) 準備学習:実践記録を調べる 17. 高校工業教育の実践記録の分析2(教科指導と教材の活用・実験と実習) 準備学習:実践記録を調べる 18. 高校工業教育の実践記録の分析3(教科指導と教材の活用・課題研究) 準備学習:実践記録を調べる 19. 高校工業教育の実践記録の分析4(HR指導) 準備学習:実践記録を調べる 20. 高校工業教育の実践記録の分析5(学校行事指導) 準備学習:実践記録を調べる 21. 高校工業教育の実践記録の分析6(地域との連携) 準備学習:実践記録を調べる 22. 高校工業教育の実践記録の分析7(進路指導) 準備学習:実践記録を調べる 23. 高校工業教育の実践記録の分析8(学年・学校づくり) 準備学習:実践記録を調べる 24. 高校工業教育の課題に応える実践づくりの視点1(学習観の転換=技術・労働・職業教育の教育力) 準備学習:学習観の転換=技術・労働・職業教育の教育力について調べる 25. 高校工業教育の課題に応える実践づくりの視点2(労働観・職業観の育成) 準備学習:労働観・職業観の育成について調べる 26. 高校工業教育の課題に応える実践づくりの視点3(HR・行事・規律指導) 準備学習:HR・行事・規律指導について調べる 27. 高校工業教育の課題に応える実践づくりの視点4(高校再編・学科再編) 準備学習:高校再編・学科再編について調べる 28. 高校工業教育の課題に応える実践づくりの視点5(工業教育教師論) 準備学習:工業教育の教師論について調べる 29. 全体のまとめ 準備学習:全体のまとめをする 30. 学習成果の確認(試験) 準備学習:全体を振り返り試験の準備をする ※上記16から23は、受講生が実践記録を分担して、1人20分間の発表を行い討論する。
- <成績評価方法及び水準>
- 講義毎の小レポート、課題発表、最終試験を、60:20:20の重点配分で評価し総合評価が60点以上を合格とする。ただし、必要がある場合はレポートの提出を求める。現場教師として求められる資質の基礎を基に判断する。
- <教科書>
- プリント等を使用(教科書を使用する場合は授業開始の際に指示する)
- <参考書>
- 斉藤武雄他編『工業高校の挑戦ー高校教育再生への道ー』(学文社)、斉藤武雄他編『ノンキャリア教育としての職業指導』(学文社)、河野義顕他『技術科の授業を創る』(学文社)、技術教育研究会『高校工業教育の復権』(同会)、技術教育研究会『すべての子ども・青年に技術教育を』(同会)、斉藤武雄他『労働・職業・生活の学習』(大月書店)、原 正敏『現代の技術・職業教育』(大月書店)、堀内達夫他『新版・専門高校の国際比較』(法律文化社)、日本機械学会編・石綿良三他著『流れのふしぎ』(講談社ブルーバックス)、日高教・高校教育研究委員会・太田政男他編『学ぶ・はたらく・つながる』(かもがわ出版)、阿部彩『子どもの貧困』(岩波新書)、『子どもの貧困白書』(明石書店)、本田由紀『教育の職業的意義』(ちくま新書)
- <オフィスアワー>
- E-mailで対応するので遠慮なくどうぞ。
- <学生へのメッセージ>
- 高校工業教育は多くの課題を抱えているが、その課題に挑戦して高校教育そのもの再生の展望を切り開く実践も少なくない。2週間の集中講義を通して、高校生と共に生きる工業高校の教師という仕事の魅力を掴んでもらえれば嬉しい。
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