2010年度工学院大学 教職課程科目

数学教育の研究B(Study on Mathematics Teaching B)[9121]

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4単位
藏原 清人 教授  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 数学は物事を数量の面から把握・分析しようとするもので,人間の生活や活動と深く結びつき,重要な役割をはたしている。しかし,今日の数学教育は入試などで不可欠の教科とされながらも,「できない生徒」「数学ぎらいの生徒」の問題が深刻になるなど,数学について興味をもたせ,理解を進めたり,実生活でその知識や技能を生かすことが出来るものとはなっていない。
 この授業では特に数学教育に実際に携わる立場からこれらの問題をとりあげ考えるとともに,数学教師としての力量を身につけていくこと,数学教育を人間教育という広い視野からとらえていく努力をしたい。
 数学教育の研究Bでは,教材論,教育内容論を中心にとりあげる。中学校の免許希望者は,A,Bをともに履修すること。高校の場合は,A,Bいずれか一つでよい。すでにAを修得済みの者はその学習をふまえた自分の学習目標を持って臨むこと。

<授業計画及び準備学習>
1. 数学教育 今日の問題 数学はなぜ勉強するのか
2. 数学教育の課題について(ショートスピーチ)
3. 学習指導案の書き方(教材のとり扱いを中心に)
4. 教科書の検討(教材のとり扱いから)
5. 改訂学習指導要領と数学教育内容 /教育課程の意義と編成
6. 学習指導要領改訂の歴史と教材の変化
7. 数学をとらえ直す(1) 数学のはじまり
8. 数学をとらえ直す(2) 変化をとらえる
9. 数学をとらえ直す(3) 厳密性の要求
10. 数学をとらえ直す(4) 統計の意味
11. 数学をとらえ直す(5) 人間生活と数学(コンピュータの利用を含む)
12. 世界の数学教育(1) 数学教育の教育内容はどう考えられているか
13. 世界の数学教育(2) 教科書をみる
14. 数学学習の意義を考える(ショートスピーチ)
15. 前期のまとめ
16. 数学教育の教材開発(1) 代数・関数教材
17. 数学教育の教材開発(2) 幾何・図形教材
18. 数学教育の教材開発(3) 実用教材
19. 数学教育の教材開発(4) 現代化の教材論と情報機器の活用
20. 指導案の講評
21. 特別授業(現場教員ないし教員経験者を招いての模擬授業)
22〜28. 授業をやって考えよう(1)〜(7) (学生による模擬授業と講評)
29. 数学教育をとらえ直す/授業のまとめ
30. 学習成果の確認(試験)

 この授業は,数学教育の意義,必要性とは何かという視点から,数学教育の現状や課題を考えることを目的としているので,自分の受けた数学(算数を含む)教育を思い返し,問題をほり下げるよう努力すること。また,新聞報道などにも注意して今日の数学教育の課題を考察すること。
 また,学習指導案を作り,模擬授業を行うことで学習指導を行う上で必要な事柄を知り,生徒が興味や意欲をもって学習に取り組む効果的な指導ができるための基礎を学ぶ。
 このために教科書や学習指導要領,及び数学の意義や必要性などについて,生徒の学習意欲や興味・関心を高める視点から考察を深めることが,この科目の学習(予習・復習)として必要である。

<成績評価方法及び水準>
レポート及び試験による。指定レポートは2件必須とし、このレポートを提出しない場合は履修の放棄と見なす。試験の成績60点以上のものに単位を認定する。

<教科書>
なし

<参考書>
「日常性の数学」及び「高校生 とまどいの数学的体験」いずれも、岡部すすむ著(教育出版社,ベースプロ)

中学,高校の数学教科書を用意すること。
「中学校学習指導要領解説数学編」(文部省)
「高等学校学習指導要領解説数学編」(文部省)
そのほかくわしくは講義のなかで指示する。

<オフィスアワー>
夏季期間中 毎日17:00〜18:00 新宿校舎12F講師室

<学生へのメッセージ>
討論や意見交換,模擬授業などの機会を設け,皆で学びあいたい。参加者は今日の数学教育について考えをまとめておくこと。授業への学生の積極的参加を期待する。

 

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