2010年度工学院大学 教職課程科目

教育心理学(Educational Psychology)[9033]

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2単位
藏原 清人 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 教育は,学習活動をとおして行われる生徒(子ども)の人格形成をめざす活動です。それは生徒と教師との,すなわち人間と人間との,共同の営みなのです。教師の活動を効果あるものにするためには,生徒の発達や学習について理解を深めておくことが必要です。
 ここでは教育に携わる立場から,子どもが生まれてから大人になるまでの発達と,その中で行われる学習について学びます。特に,大人になるということについて考えていきたいと思います。特に,自分やまわりの友人たち自身のこれまでの発達を振り返り,具体的に理解を深めることが大切です。また人間の学習の特徴を知り,指導のあり方,教師の役割についても考えます。
 授業は教員からの講義だけでなく,意見発表,討論などを活発に行います。なお,日頃から教育について幅広く関心を持つように努めるようお願いしたいと思います。

<授業計画及び準備学習>
1. 発達と学習・今日の問題(発達と学習をめぐる今日の問題を概観し,この授業の課題を確認します。)
2. 発達と学習を中心とした関心あるテーマ
 (発達とは、大人になるとは,について自己紹介をかねてショートスピーチを行います。)
3. 発達(1) 発達とは(発達とは何か、それはどのような条件のもとで行われるかを学びます。)
4. 発達(2) 幼児期(幼児期の発達の特徴、発達課題、指導の留意点を学びます。)
5. 発達(3) 児童期(児童期の発達の特徴、発達課題、指導の留意点を学びます。)
6. 発達(4) 青年期(青年期の発達の特徴、発達課題、指導の留意点を学びます。)
7. 発達(5) 障害と発達(人間の発達にとって障害の意味するものを考えます。)
8. 発達(6) 障害と発達、発達の可能性(障害のある幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程について学びます。)
9. 発達の課題 大人になるということ(これまでの学習をふまえ「大人」とは何かについて、意見発表のショートスピーチを行います。)
10. 学習(1) 学習とは(教育心理学でいう学習の内容について、概要を理解します。)
11. 学習(2) 学習の理論(これまで研究されてきた学習の理論について知り、残された課題について考えます。)
12. 学習(3) 人間の学習(人間の学習の特徴について学び、授業のあり方を考えます。)
13. 学習(4) 学習の成果としての学力(学力とは何か、学力をどう測るかを考えます。)
14. まとめ(発達と学習をふまえた指導や教師のあり方を考えます。)
15. 学習成果の確認(試験)

 生徒(子ども)の発達を考える手がかりとして,自分のこれまでの発達について,授業がはじまるまでにまとめること(具体的には掲示等で指示)。
 また,授業を通して,教育問題や生徒(子ども)の問題を,発達や学習という点からとらえることができるようになることをめざしており,そのために教育書を読んだり,友達などと話しをしたりして,自分の考えの幅を広げていくことが学習活動(予習・復習)として必要である。

<成績評価方法及び水準>
授業中に指示する必須レポートおよび試験による。くわしくは授業中に説明する。

<教科書>
特に指定しない。

<参考書>
「中学校・高校教師になるための教育心理学」心理科学研究会(有斐閣)。このほか講義の中で指示する。

<オフィスアワー>
木 16:30〜17:30 新宿校舎A-2778号室,及び必要により授業終了後に行う。

<学生へのメッセージ>
生まれてから今までに大きく発達し,様々なことを学んできたことでしょう。だれもがそうして大人になっていくのです。また,これからの生活の中でも子育てや後輩の指導など,これまでとは違った意味で発達や学習について考える機会があるにちがいありません。こうした発達や学習について知ってみたい,考えてみたいという人はぜひこの授業に参加するよう期待しています。履修にあたって自分がこれまでどのように成長してきたのか,思いだしたり,親などから話を聞くなどして振り返っておいてほしいと思います。それぞれの個別的・個性的な発達と同時に,人間の発達としての共通性の両面からとらえることが大切です。

 

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