2010年度工学院大学 第2部情報通信メディア工学科

美術A(Fine Arts A)[3604]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
鈴木  淳 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
絵画を中心に,作品に使われる材料と構造について基礎的,教養的知識を修得する.
美術作品は鑑賞するものである一方で,私達の身の回りにあるさまざまな物と同様にひとつの「物」である.授業では作品にどのような材料がどのように使われているのかを概説し,作品を科学的側面から観察することの意味と役割を示す.また,作品の保存性が材料や技法と密接に関係していることを示し,修復方法についても概説する.
受講者各自が専攻分野で扱う「物」についてもその物質的特性を考えるきっかけとなることを目指す.

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス:授業計画
  美術作品の保存性,絵画の構造
[絵画構造と材料]
2.絵具の条件
3.絵具の要素:顔料
4.絵具の要素:媒材
5.絵具の種類と歴史
  自家製絵画材料:絵具,キャンヴァス,パネル
6.地塗り,支持体
7.絵具の固着と吸収,絵具と支持体の組み合わせ
[絵画の調査と修復]
8.絵画の調査,目的と方法
9.可視光線を利用する観察
10.不可視放射を利用する観察
11.油彩画に見られる劣化と損傷,種類と要因
12.修復の目的と処置,必要と限界
13.作品の管理,収蔵と展示
14.絵画材料の選択と効果,表現の自由と責任
15.学習成果の確認:定期試験

準備学習について:
本授業はテキストを使用しないので予習の必要はない.授業のあとに復習を充分におこなうこと.復習の要点は各回の授業で指示する.

<成績評価方法及び水準>
定期試験結果70%と小テスト結果30%で評価して60点以上を合格とする.ただし授業への出席が必須であり,とくに小テストの受験率が低い学生は履修放棄とみなし成績評価はおこなわない.初回授業で詳細を説明する.

<教科書>
使用しない.

<参考書>
森田恒之:画材の博物誌,1986,中央公論美術出版.

<オフィスアワー>
授業開始前のみ,新宿校舎12階講師室.質問はe mailでも受け付ける.

<学生へのメッセージ>
美術作品だけでなく,生活に関わるあらゆる「物」の材料,構造,保存性に関心を持ってもらいたい.
後期科目「美術B」のシラバスも併せて確認すること.

<参考ホームページアドレス>
beacon art studio ホームページ: http://www.basjp.com/

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2010 Kogakuin University. All Rights Reserved.