2010年度工学院大学 第2部 *電気電子情報工学科電気工学コース
電子回路理論I(Electronic Circuit Theory I)[6G73]
2単位 林 正雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- アナログ系電子回路は抵抗、コイル、コンデンサの受動素子とトランジスタ、電界効果トランジスタ
(FET)、OPアンプなどの能動素子を組み合わせた回路のことで、基本機能として、増幅、発振および変調・復調の3つが考えられる。本講義ではpn接合ダイオード、トランジスタおよびFETの特性と 基本動作を理解し、トランジスタの基本回路とバイアス回路の設計、h定数等価回路による動作量の計算法を学ぶ。さらに、負帰還増幅回路、電力増幅回路、OPアンプの基本応用回路、発信回路および変調・復調回路の理解を深める。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 半導体の性質
準備学習:物質の抵抗率と半導体、価電子とp型・n型半導体の性質 2. pn接合ダイオード 準備学習:pnダイオードの動作原理と特性、簡単なダイオード回路 3. トランジスタの基本回路と静特性 準備学習:トランジスタの接地方式、入力特性、電流伝達特性、出力特性 4. トランジスタの電圧増幅作用と負荷線 準備学習:電流・電圧増幅作用、負荷線とその引き方、各接地方式の入出力波形の関係 5. トランジスタのバイアス回路の設計 準備学習:固定・自己バイアス回路、電流帰還バイアス回路の設計 6. トランジスタ増幅回路の等価回路と動作量の計算 準備学習:h定数等価回路を用いた動作量の計算、CR結合回路の周波数特性 7. FETの動作と特性 準備学習:接合型FETとMOSFETの動作原理と静特性、FETの静特性 8.FETのバイアス回路と動作量の計算 準備学習:固定・自己バイアス回路、FETの等価回路を用いた動作量の計算 9. 負帰還増幅回路 準備学習:負帰還増幅回路の原理と基本形、帯域幅の改善と入出力インピーダンス 10. 電力増幅回路 準備学習:電力増幅回路のバイアス条件、B級プッシュプル電力増幅回路、コンプリメンタリ SEPP回路、ダーリントン接続 11. OPアンプの基本応用回路 準備学習:理想OPアンプの基本(反転・非反転・差動)増幅回路、OPアンプの基本パラメータ 微分・積分回路 12. 発振回路(1) 準備学習:発振条件、発振回路の分類、LC(同期型・3素子型)発振回路 13. 発振回路(2) 準備学習:CR(ウイーンブリッジ・移相型)発振回路、水晶発振回路 14. 変調方式と復調回路の概要 準備学習:振幅・SSB周波数変調方式、各変調方式の復調回路 15. 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 学期末試験(85%)と出欠(10%)および数回のレポート(5%)によって評価する。
- <教科書>
- 「アナログ電子回路」大類重範著 日本理工出版会
- <オフィスアワー>
- できるだけ授業中に質問し、それ以外は電話またはeメールで予約を取ってほしい。
- <学生へのメッセージ>
- いろいろな種類のIC(集積回路)を使いこなすためには、電子回路の基礎知識を確実に身につける
ことが必須である。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2010 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|