2010年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科
△世界の文学A(World Literature A)[5102]
2単位 吉田 司雄 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- サマセット・モームの挙げた「世界の十大小説」を数年かけて読んでいきたい。一昨年度はドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』全5冊を読了した。亀山郁夫の新訳(光文社古典新訳文庫)が100万部を超えるベストセラーとなった評判作である。昨年度はスタンダールの『赤と黒』とエミリー・ブロンテ『嵐が丘』とを読んだ。三年目の今年は、バルザック『ゴリオ爺さん』とハーマン・ネルヴィル『白鯨』とにチャレンジしたい。歴史的社会的な背景にも目を向けながら、文学テクストの読解力を養うことを目標としたい。
- <授業計画及び準備学習>
- 1 ガイダンス(履修上の注意と毎回提出の課題の説明)
準備学習:『ゴリオ爺さん』を入手し読みはじめる 2 バルザックとその時代 準備学習:『ゴリオ爺さん』を指定の箇所まで読了しておく 3 『ゴリオ爺さん』をどう読むか 準備学習:『ゴリオ爺さん』を指定の箇所まで読了しておく 4 『ゴリオ爺さん』をどう考えるか 準備学習:『ゴリオ爺さん』を指定の箇所まで読了しておく 5 『ゴリオ爺さん』をどう論じるか 準備学習:『ゴリオ爺さん』を最後まで読了しておく 6 『ゴリオ爺さん』を批評してみる 準備学習:『白鯨』を読みはじめる 7 『ゴリオ爺さん』の批評を相互批評する 準備学習:『白鯨』を読みすすめる 8 『ゴリオ爺さん』をもう一度批評してみる 準備学習:『白鯨』をさらに読みすすめる 9 『ゴリオ爺さん』から『赤と黒』へ 準備学習:『白鯨』をさらにさらに読みすすめる 10 ハーマン・ネルヴィルとその時代 準備学習:『白鯨』を最後まで読了しておく 11 『白鯨』について(1)−鯨をめぐる言葉の織物 準備学習:『白鯨』の批評を書いてみる 12 『白鯨』について(2)−エイハブ船長とは誰か 準備学習:『白鯨』の批評を再度書いてみる 13 『白鯨』から『嵐が丘』へ 準備学習:できれば『嵐が丘』を読んでおく 14 『白鯨』から『カラマゾフの兄弟』へ 準備学習:できれば『カラマゾフの兄弟』を読んでおく 15 学習成果の確認(最終レポート作成) 準備学習:授業での指示を守り、「自分の言葉で」批評を書き上げる
- <成績評価方法及び水準>
- 「文学」の授業では、まず取り上げる作品をきちんと読むことが基本。毎回宿題に課したところまでの感想文を執筆してもらうと共に、未知のクラスメート間で回覧し相互批評を行う。その他宿題や授業中の提出物をもとに平常点を算出。学期末提出の批評レポートとあわせて評価し、60点以上の者に単位を認める。最終の批評レポートの比重は6割。ただし、平常点が一定の点数に達しない者の批評レポートは、採点対象としない。最終レポートのみ提出しても単位はとれない。
- <教科書>
- バルザック『ゴリオ爺さん』(新潮文庫)
ハーマン・ネルヴィル『白鯨』上下(新潮文庫)
- <参考書>
- 教場で随時指示する。
- <オフィスアワー>
- 新宿校舎2772研究室 月12:20〜12:40
それ以外は教員に直接たずねること。
- <学生へのメッセージ>
- 『ゴリオ爺さん』『白鯨』をともかく一日も早く読了(過去に読んだことがある人は再読了)することが必要。遅くとも『ゴリオ爺さん』をゴールデンウィーク明けまでには読みあげないと、授業についていけなくなる。通学往復の車中などを利用して、長編小説を読み進めていくための時間を作り、読みはじめた以上は最後まで読み通す決意を固めてほしい。
『白鯨』はなかなかの難物なので、授業中に読み進め方をアドバイスするが、五月中には読み終えてほしい。二冊を読み終わったらさらに、これまでに取り上げてきたドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』、スタンダールの『赤と黒』、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』にもチャレンジしてみてほしい。 この授業は作品を先に読んでいなければどうにもならない。文庫本の厚さに臆することなく、この機会に世界文学中の大傑作と呼ばれる長篇小説にどんどんチャレンジしてみようという心意気のある学生にだけ受講してほしいと思う。そして、欠席すると授業中に行われる課題への参加に支障が生じる(他の学生たちにも迷惑をかけることになる)ので、登録した以上は一回も休むことなくきちんと出席するようお願いしたい。
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