2010年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
○材料力学I(Strength of Materials I)[6C03]
2単位 初田 俊雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 材料力学は種々の工業製品の強度設計に不可欠な学問で、主として、強度評価に必要な応力、変形などの力学量を求める方法を学びます.この授業は、講義において材料力学の基本的な考え方を理解し、演習問題(宿題とする)を自ら考えて理解を深めることにより、幅広い応用力を身につけることを目的としています.以下に具体的な目標を示します.
1.強度設計における材料力学の位置づけを理解する. 2.力と応力、ひずみと変形、および応力とひずみの関係を理解する. 3.上記2に加えて、力のつりあい、変形の連続の条件を用いることにより、棒やはりなどの部材に生じる応力、ひずみ、変形等などの力学量を算出できるようにする.
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」:(C)◎
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を履修する前に、「数学I・II」などにより微分積分、微分方程式を、また「物理学」などで、力やモーメントの釣り合いを習得しておく必要がある.本科目の終了後は「材料力学II」に進み強度設計に必要な知識の幅を広げることができる.これらの知識をE.C.P.などで活用することにより、実際問題への適用法を学ぶことができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 材料力学とは.材料の機械的性質と破壊、応力とひずみ
材料の性質と強度設計における材料力学の位置づけ及び応力とひずみの概念を理解する. 準備学習:教科書第1章に目を通し、応力やひずみの概念を把握 第2週 棒の引張り・圧縮 応力やひずみの初歩的な理解のために棒に生じる応力、ひずみ及び変形を学ぶ. 準備学習:第1週の演習問題を解く.教科書第2章2.1,2.3節に目を通し、内容を把握する. 第3週 分布荷重、変断面の棒、不静定な組み合わせ棒の問題 力の釣り合いや変形の連続性を用いたやや複雑な問題の解法を学ぶ. 準備学習:第2週の演習問題を解く.教科書第2章2.2節に目を通し、内容を把握する. 第4週 熱応力、組み合わせ棒、締結体 変形が拘束された場合の例として、高温機器で生じる熱応力の考え方等を学ぶ. 準備学習:第3週の演習問題を解く.教科書第3章3.1、3.2節に目を通し、内容を把握する. 第5週 棒のせん断とねじり せん断力及びねじり荷重により生じる応力、ひずみ、変形の特性及び計算法を学ぶ. 準備学習:第4週の演習問題を解く.教科書第8章に目を通し、内容を把握する. 第6週 はりのせん断力と曲げモーメント1 はりに関する用語の定義と力及びモーメントの釣り合いからせん断力と曲げモーメントを得る 方法を学ぶ. 準備学習:第5週の演習問題を解く.教科書第4章4.1〜4.4節に目を通し、内容を把握する. 第7週 はりのせん断力と曲げモーメント2 分布荷重下におけるせん断力と曲げモーメントの関係及び面積モーメント法を学ぶ. 準備学習:第6週の演習問題を解く.教科書第4章4.4節に目を通し、内容を把握する. 第8週 はりの曲げ応力と断面二次モーメント Bernoulli-Eulerの仮定からはりの曲げ応力を求める式を誘導する. さらに、断面二次モーメ ントの求め方を学ぶ. 準備学習:第7章の演習問題を解く.教科書第5章5.1、5.2節に目を通し、内容を把握する. 第9週 はりのたわみ1 はりのたわみと曲げモーメント等との関係を表すはりの基礎微分方程式を求め、片もちはりの たわみを学ぶ. 準備学習:第8週の演習問題を解く.教科書第6章6.1、6.2節に目を通し、内容を把握する. 第10週 はりのたわみ2 基礎微分方程式を各種のはりに適用してたわみを求める. 準備学習:第9章の演習問題を解く.教科書第6章6.3節に目を通し、内容を把握する. 第11週 はりの不静定問題と重ね合わせの方法 不静定問題の解法として基礎微分方程式を用いる方法と重ね合わせの方法を学ぶ. 準備学習:第10週の演習問題を解く.教科書第6章6.4節に目を通し、内容を把握する. 第12週 コイルばね及び非円形断面の棒のねじり せん断応力の例としてコイルばねの変形と応力を学ぶ.さらに、ねじり荷重により非円形断面 棒に生じる応力、変形等の特性を学ぶ. 準備学習:第12週の演習問題を解く.教科書第8章Column8.4に目を通し、内容を把握する. 第13週 はりのせん断応力 せん断力によりはりに生じるせん断応力の特性について学ぶ. 準備学習:第5章5.3節とColumn5.3に目を通し、内容を把握しておくこと. 第14週 演習の解説 これまでの演習の要点を解説する. 準備学習:授業で課したこれまでの演習問題のうち、不正解のものを再度解く. 第15週 学習成果の確認(試験) 準備学習:これまでの学習内容の復習
- <成績評価方法及び水準>
- 演習と定期試験の成績で評価する。割合は前者30%、後者70%とし、合格点は60点以上とする。50点〜59点の者には追加課題解答の提出を認め、全問正解で合格(60点)とする.また、40点〜49点の者で特別かつ合理的な事情がある場合は別途さらに課題を課し、全問正解で合格(60点)とする.
但し、最終講義終了時点で演習の正答率が75%に満たない者は履修放棄とみなして成績評価を行わない.
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目及びこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される.
- <教科書>
- 機械工学基礎コース「材料力学」小久保邦雄、後藤芳樹、森孝男、立野正義、丸善株式会社
講義内容のプリントを配布する.
- <オフィスアワー>
- 土曜の授業日の4時限終了後30分、講師室にて
- <学生へのメッセージ>
- 材料力学では、力のつりあい、変形の連続性、応力とひずみの関係といった基本事項を十分理解すれば、幅広い課題に対応できるようになります。演習等により基本事項を十分に消化し、卒業後に役立つ応用力を身につけて下さい。
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