2010年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
数値計算法II(Numerical Method II)[1E01]
2単位 初田 俊雄 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 数値計算法Iに続き、実際の工学問題解決に重要な役割を果たす数値計算法について、その基礎と工学的問題への適用を具体例を用いて学ぶ.また演習問題を通じて数値解法の実用・応用能力の習得を図る.以下に具体的な達成目標を示す.
1.最小2乗法とその数値解法の基礎を習得し、実用・応用する能力を養う. 2.固有値問題の基本的な数値解法を習得し、実用・応用する能力を養う. 3.常微分方程式の基本的な数値解法を習得し、実用・応用する能力を養う. 4.偏微分方程式の基本的な数値解法を習得し、実用・応用する能力を養う.
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎
(JABEEキーワード) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:数値計算、数式処理、データ解析、
(前提となる基礎知識と習得後の展開) 本科目を履修する前に、「線形代数学I」により、行列演算の基礎を、「数学I」、「数学II」により微分、偏微分学の基礎を、「プログラミング演習」によりプログラミングの基礎を、「数値計算法I」により計算機の数体系や誤差などの数値計算の基礎知識を習得しておくことが望ましい. 本科目を習得後は、「応用プログラミング演習(1)」などにより、数値計算ソフトを作成する能力を習得することができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 数値計算法の工学的意義と授業の進め方ガイダンス及び行列演算の基礎
準備学習:線形代数で学習した行列演算の復習 第2週 最小2乗法(最小2乗法の定義、ハウスホルダー変換) 準備学習:教科書第8章8.1節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第3週 最小2乗法(ハウスホルダーQR法、最小2乗法による関数の推定) 準備学習:教科書第8章8.2節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第4週 最小2乗法(最小2乗法のまとめ、実応用例) 準備学習:第2週と第3週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第5週 固有値問題の数値解法(固有値問題の定義、誤差評価) 準備学習:第10章10.1、10.2節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第6週 固有値問題の数値解法(累乗法、逆反復法) 準備学習:第10章10.3、10.4節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第7週 固有値問題の数値解法(固有値問題数値解法のまとめ、実応用例) 準備学習:第5週と第6週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第8週 常微分方程式の数値解法(初期値問題、ルンゲ・クッタ法) 準備学習:第11章11.1、11.2節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第9週 常微分方程式の数値解法(高階連立微分方程式の数値解法) 準備学習:第11章11,3、11.4節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第10週 常微分方程式の数値解法(常微分方程式数値解法のまとめ、実応用例) 準備学習:第8週と第9週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第11週 偏微分方程式の数値解法(有限差分近似、ガウス・ザイデル法) 準備学習:第12章12.1、12.2節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第12週 偏微分方程式の数値解法(SOR法、収束性) 準備学習:第12章12.3、12.4節に目を通し、内容概略と不明点を把握しておくこと. 第13週 偏微分方程式の数値解法(偏微分方程式数値解法のまとめ、実応用例) 準備学習:第11週と第12週の学習内容を実用できるよう復習しておくこと. 第14週 追加演習と演習のまとめ 準備学習:前回までの学習及び演習内容で不明な点を質問できるように復習しておくこと. 第15週 学習成果の確認(試験) 定期試験 準備学習:前回までの総復習
- <成績評価方法及び水準>
- 演習40点(計4回、各10点)、定期試験60点で成績を評価し、合計で60点以上の者に単位を認める。50点〜59点の者は追加課題解答の提出を認め、全問正解で合格(60点)とする.
但し、第14週終了時点で演習の正答率が75%に満たない者は履修放棄とみなし成績評価を行わない.
- <教科書>
- 「数値計算の基礎と応用 ― 数値解析学への入門 ―」杉浦 洋 著(サイエンス社)
ただし、講義内容のプリントは配布する.
- <参考書>
- 数値計算法を扱った書籍は簡単なものから高度なものまで非常に多数が出版されているので、自分にあった参考書を探してほしい.
「数値計算法」名取亮編(オーム社)は平易で実用的と思える.
- <オフィスアワー>
- 月曜の授業日の13時30分から14時30分の間、講師室にて
- <学生へのメッセージ>
- 数値計算法は実際の工学問題を解決するための欠かせない手段で、コンピュータの進歩に伴い、様々な技術分野での応用が益々広がっています.また、いろいろな市販ソフトを使いこなすためにも数値計算法の知識は必要です.授業と演習問題を通じて数値解法を理解しその応用能力を習得するよう頑張りましょう.
機械工学科の人はできるだけこの時間で受講してください.
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