2010年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

企業の理念と行動(Idea and Behavior of Enterprise)[1309]

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2単位
道中 真紀 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
私たちの暮らす社会では、無数の企業がさまざまな商品やサービスを提供しており、人々はさまざまな理由からそれらを選び消費しています。このような仕組みの中、各々の企業はどのような理念に基づいてその行動を決定するのでしょうか。本講義では、ミクロ経済学の企業理論をベースとし、企業の利潤最大化行動について分析することをねらいとします。講義を通して、履修者が身近な事柄や自分の行動について、経済学的な視点で捉えられるようになることを達成目標とします。

<授業計画及び準備学習>
1. 需要と供給
●なぜ豊作のときにキャベツをトラクターで潰してしまわなければならないのか? 
  (需要曲線と供給曲線)
●セブンプレミアムのしょうゆヌードルが日清食品のカップヌードルより安いのはなぜ? 
  (企業の費用関数、規模の経済)
●サッポロ黒ラベルとアサヒスーパードライとキリン一番搾りの値段がほとんど同じなのはなぜ?
  (完全競争市場と寡占・独占)
●車のテレビ広告はよく見るのに、クリーニング屋さんのテレビ広告をあまり見ないのはなぜ?
  (広告の需要弾力性と価格の需要弾力性)

2. 企業の価格戦略と製品戦略
●ディズニーランドの学割や、タクシーの深夜割増が存在するのはなぜ? 
   (グループ別価格差別)
●スーパーのチラシ掲載品が他の商品と違う場所に置かれているのはなぜ? 
   (自己選択型の価格差別)
●薄型テレビのアピールポイントがメーカーによって異なるのはなぜ?(水平的製品差別化)

3. 企業と情報
●ほとんどの人がWindowsを使っているのはなぜ?  (ネットワーク互換性)
●就職活動において、学歴は企業に何を伝えるのか? (シグナリング)

<成績評価方法及び水準>
成績評価は中間試験(40点満点)と期末試験(60点満点)の合計点で行います。60点以上を合格とします。

<教科書>
特に使用しません。
トピックスに関連するビジネス誌や新聞等の記事を教材として使用する予定です。
毎回、講義時にプリントを配布します。

<参考書>
丸山雅洋 (2005) 『経営の経済学』 有斐閣。
淺羽茂 (2008) 『企業の経済学』 日本経済新聞社。
淺羽茂 (2004) 『経営戦略の経済学』 日本評論社。
 他、講義中に随時紹介します。

<オフィスアワー>
質問等は講義終了後に教室で受け付けます。
それ以外の時間を希望する場合は、事前にメールにてアポイントメントをお願いします。
(メールアドレス:m_michinaka※yahoo.co.jp  ←※を@に換えてください)

<学生へのメッセージ>
普段、何気なく看過している企業の思惑や努力に目を向けることで、今までとはちょっと違う物の見方ができるようになったり、自分の新たな興味を発見したりできるかもしれません。せっかく履修するからには新しい何かを学び取ってほしいし、こちらもそういう講義を心がけます。楽しく学んでいきましょう。

<備考>
前期開講科目「経営学入門」と合わせて受講すると、より理解が深まります。
(続編ではないので、片方のみの履修でも問題ありません)
「経営学入門」では、経営学的な観点から、企業というものが目標達成のためにどのように組織され行動していくかについて学びます。一方、「企業の理念と行動」では、経済学的な視点から、ある企業がライバル企業や消費者との関係の中で、どのように利潤最大化を達成していくかについて学びます。

 

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