2010年度工学院大学 第1部建築学科 環境建築コース

鉄筋コンクリート構造(Reinforced Concrete Structure)[2A15]

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2単位
近藤 龍哉 准教授  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 安価であること、重厚感があること、形状を比較的自由にできることなどの理由で建物の多くは鉄筋コンクリート構造である。これは、圧縮力には極めて剛強だが引張力に対しては脆弱なコンクリートと、引張力に対しては強靭だが圧縮力に対しては弱い鉄筋を互いに助け合って作る構造だ。よって、両材料の性質、コンクリート内の鉄筋配置、詳細部の納め方など、設計において配慮すべきことが多々ある。そして、配慮が良好であれば鉄筋コンクリートの性質を良く生かした優良な建物に成り、配慮が不十分であれば不良な建物に成る。まさに構造設計者の技術的好奇心を擽る楽しい構造種別である。
 まず、手始めに「許容応力度設計法」について学ぶ。現設計法では許容応力度設計に続いて「終局耐力設計」を行う。別に、限界耐力設計や時刻歴応答解析による設計などもある。種々の設計法の基礎として許容応力度設計法を学び、鉄筋コンクリート造建物の構造設計法の考え方を理解して欲しい。

<授業計画及び準備学習>

1) 鉄筋コンクリートとは・設計の流れ(配筋概要、許容応力度設計法、保有耐力設計法)
2) 材料(コンクリート材料の性質:応力度歪度曲線、ヤング率、ポアソン比、熱膨張係数、鉄筋(鋼)の性質:応力度歪度曲線、ヤング率、ポアソン比、熱膨張係数)
3) スラブ(荷重、振動、曲げモーメント、長期許容曲げモーメント)
4) 梁1(応力抵抗機構、許容曲げモーメント、Qbm-Pt)
5) 梁2(安全の考え方、終局曲げモーメント、許容せん断力、Qb-Pw)
6) 柱1(応力抵抗機構、許容曲げモーメント、Qcm-Pt)
7) 梁2(安全の考え方、終局曲げモーメント、許容せん断力、Qc-Pw)
8) 耐震壁
9) 柱梁接合部
10) 配筋、付着・定着
11) 構造図面の書き方
12) 設計手順解説1
13) 設計手順解説2
14) 設計手順解説3
15) 学習達成度調査

<成績評価方法及び水準>
期末試験50%、課題50%で評価する。
授業「12)計手順解説1」に時課題説明を行う。この課題と期末試験を合算して評価する。なお、期末試験は持ち込み自由である。なお、PC・電卓等の計算器の持参を勧める。

<教科書>
鉄筋コンクリート設計規準・同解説,日本建築学会

<参考書>
建築構造ポケットブック,共立出版

<オフィスアワー>
25階2515研究室にいます。いつでも質問を受け付けます。

 

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