2010年度工学院大学 第1部建築系学科
△化学II(Chemistry II)[4564]
2単位 高山 俊夫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 工学部の学生として材料・構造について深く理解するために学んでおかなければならない基礎科目の1つである、「化学II」を原子・分子に着目することによって理解することを試みる。現在の言葉で言えば、ナノサイズの世界を創造できるようにすることが目標となる。概念で分かったと思っていても、実際理解し身についているかの繰り返しの自己学習が求められる。化学Iからのステップアップとして化学の応用についても理解を深めてほしい。履修する前と後で材料・構造の見方が違ってきたなあ!?と思わせるように講義する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1
ガイダンス:アンケートをとり、「化学II」とはなにか?何を求める学問なのか?のデイスカッションを行う。原子のおいたちについてのビデオを鑑賞する。 2 原子とその構造の復習:量子化学以前の原子の模型での原子像について、説明できることと出来ないことについて解説する。 3 電子配置と物質量についての復習:元素は一定の周期性をもってある集団としてグループ化できることを理解する。メンデレーフの周期表を中心に講義する。 4 化学結合についての復習:イオン結合、共有結合、配位結合、金属結合について説明する。 5 固体の性質のについての復習:結晶構造、液晶、半導体とは何かを解説する。 6 化学平衡と平衡定数の復習:反応速度と化学平衡について深く理解する。 7 水のイオン積とpHの復習:電離度と電離定数、緩衝溶液について理解する。 8 電池の応用:実用電池と燃料電池について詳しく述べる。 9 原子化学エネルギー:核エネルギーについて解説する。 10 高分子化学:繊維、合成樹脂、ゴムについて講義する。 11 生体関連物質:糖類、タンパク質、酵素とDNA、ビタミンについて講義する。 12 肥料と農薬、医薬品、食品添加物:医薬品の製造、食品添加物の意義を講義する。 13 大気環境の化学:オゾン層の破壊、地球温暖化、大気汚染について講義する。 14 水環境と土壌環境の化学:酸性雨、富栄養化、土壌の化学について講義する。 15 学期末試験 化学Iの修学度の程度は問わないので教科書の予習と復習を行うようにしてください。
- <成績評価方法及び水準>
- (小テスト・レポート)20点および定期試験80点による総合評価。電気陰性度、イオン結合、化学結合、分子軌道法、錯体化学、有機化学、原子核エネルギー、生体関連化合物、環境の化学が理解できれば合格(60点)
- <教科書>
- 「化学の視点」川泉文男著、学術図書出版を中心に行う。適時プリントを配布する。
- <参考書>
- 興味のある学生は「基礎からの無機化学」山村博、門間英毅、高山俊夫共著(朝倉書店)を参考にされたい。
- <オフィスアワー>
- 原則、授業前と後の時間及び質問書への回答として対応する。
- <学生へのメッセージ>
- どうして反応が進むのか?核エネルギーとは何か?タンパク質はどこでつくられるのか?地球温暖化はどうしておこるのか?など、化学Iで学んだ化学の基礎を土台に理解してください。暗記に頼らないように学んでください。適時、小テストを行なうので、出席は必須条件です。
- <備考>
- 理解を深めるために演習問題を解く。時間内に理解できなかったことを質問書として受け取り、次週に説明する。視覚に強く訴えるために、必要に応じてパワーポイントを使う。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2010 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|