2010年度工学院大学 第1部建築系学科
○構造力学II(Structural Mechanics II)[3268]
2単位 宮澤 健二 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 構造系科目は、構造力学、構造解析への力学応用(構造工学、振動学など)、各種構造(木、RC、鋼構造、基礎)、構造設計、演習・実験系などからなる。構造力学はこれらの基礎をなすもので、しっかりマスターしないと、他の科目の修得にも支障をきたす。
構造力学1、構造力学2、その他選択科目として構造力学3がある。 構造力学1では、力の概念、力の釣り合いや主に静定構造、構造力学2では主に不静定構造を学ぶ。実際に建っている建物は殆ど不静定構造である。不静定構造は力の釣り合いだけでなく、変形の条件が必要になってくる。 構造力学2では、はじめに静定構造の復習を行い、次に不静定とは何か、不静定構造の事例、変形計算、不静定構造の解析方法を修得することが目的である。 構造力学2では簡単な不静定、構造力学3ではより現実的な建物の不静定構造を扱う
- <授業計画及び準備学習>
- 構造力学2は、構造力学1を基礎知識として、不静定構造を学ぶ。構造力学1をもう一度十分復習し、静定構造を確実な知識にして、履修してください。また、力や変形(一般に小さいので)は目に見えないし、建物のどの部分が構造的に重要なものか、普段から建設状況や完成した建物を良く観察し、構造や力学に興味が持てるような努力をしてください。そうしないと構造力学が無意味のように誤解されがちです。授業計画は下記のとおりである。なお、構造力学は4クラスに分かれて授業を行うが、大まかな内容は統一している。
1 ガイダンス 1.構造力学概論 2.力の性質と力の釣合 2 3.静定構造(の復習) 3.1 荷重と反力 (1)荷重と反力及び応力の釣合 (2)反力の計算の具体 3 3.2 静定構造の応力計算と応力図 (1)静定梁の応力と応力図 (2)静定ラーメンの応力と応力図 (3)3ヒンジラーメン (4)合成ラーメン 4 3.3 静定トラス 5 4.部材、応力、断面応力と変形 4.1 構造部材 4.2 部材の応力と変形 4.3 軸力問題 6 4.4 断面の諸性質 5. 構造のモデル化 安定と不安定、静定と不静定 7 6.仮想仕事の原理とその応用 (1)原理 8(2)応用(静定構造の変形の計算) 9 7.はりの変形と基礎微分方程式及び その応用 (1)曲げ材の基礎微分方程式の誘導 10 (2)各種荷重条件・境界条件 (3)はりのせん断力と変形 11 (4)簡単な不静定架構の解析への応用 12 8.一般的なラーメン架構の性質 (1)概説 13 (2)簡単な構造の設計 14 9.塑性と塑性崩壊 材料の降伏、断面の降伏と塑性崩壊 15 総合評価
- <成績評価方法及び水準>
- 成績評価は、出席状況、レポートと期末試験で行う。
合格水準は、授業内容の概要を理解していること、簡単な構造の静定と不静定構造の解析(反力、応力と変形)方法マスターしていることである。
- <教科書>
- プリントテキスト
- <参考書>
- 大学課程 建築構造力学:武藤清、辻井、梅村、青山、オーム社
その他最初の授業で紹介
- <オフィスアワー>
- 前期八王子:水曜日 9:00〜12:40、土曜日 9:00〜11:00
前期 新宿:月曜日 10:00〜16:00 他
- <学生へのメッセージ>
- 力学は構造の基礎、予習・復習が大事です。また授業を聞くだけでなく、実際解いてみることも重要です。その意味では、前期土曜日の構造力学演習は是非受講してください。
また構造に親しむことが、構造マスターの鍵、普段から興味を持って建物や施工現場を見て下さい。 将来一級建築士を受験すると思いますが、構造で苦労する人が多い。力学は社会に出てからでは、学び難い科目です。在学中に修得することが合格の早道。
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