2010年度工学院大学 第1部建築系学科

数学II(Mathematics II)[3327]

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2単位
片野 修一郎 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
専門課程で数学が必要になった時、きちんと使えるように、微積分の概念的な理解と実際の運用技術の修得の両方を目標とする。余裕があれば、論理体系の典型としての、また人類が築いた壮大な思想体系としての数学の側面も味わって欲しい。具体的には、(1)偏微分の意味を理解し、いろいろな初等関数の偏導関数を求められること(2)偏微分を関数の極値問題などに応用できること(3)重積分の意味を理解し、累次積分や変数変換を用いて具体的な計算ができること、を主な目標とする。

<授業計画及び準備学習>
1.一変数関数の定積分(主に置換積分)
  準備学習:前期の不定積分をよく復習のこと。高等学校の教科書も読んで欲しい。
2. 一変数関数の定積分(主に部分積分。これがわからない人が最近とても多い)
  準備学習:前回の内容を消化しておくこと。高等学校の教科書も読んで欲しい。
3. 前2回の復習(時間が許せば、一変数関数の広義積分)部分積分の補足解説をする可能性大
  準備学習:前回の内容を消化しておくこと。渡したプリントや手持ちの本の問題を数多く解いてみること。
4.2変数関数とは?(概念とその"グラフ"の描き方)
  準備学習:今のうちに、前期の微分法について復習しておくこと。
5.偏微分法(偏導関数の定義とその意味)(時間が許せば、2変数関数の極限・連続性も)
  準備学習:前回の内容を消化しておくこと。前期の微分法について復習しておくこと。
6.偏微分法の演習 全微分と連続偏微分可能関数
  準備学習:前回までの内容を消化しておくこと。渡したプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答して欲しい。
7.高次偏導関数 合成関数の連鎖律 演習
  準備学習:前回までの内容を消化しておくこと。渡したプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答して欲しい。
8.2変数関数のTaylorの定理と極値問題
  準備学習:偏微分法全般について消化しておくこと。
9.2変数関数の極値問題 つづきと演習
準備学習:前回の内容を消化しておくこと。渡したプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答して欲しい。
10.重積分とは?(定義とその意味)
準備学習:一変数関数の定積分について完全に消化しておくこと。
11.重積分の計算/累次積分とFubiniの定理
  準備学習:前回の授業の内容および一変数関数の定積分について完全に消化しておくこと。
12.累次積分の演習
  準備学習:前回までの内容を消化しておくこと。渡したプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答して欲しい。
13.重積分の変数変換 Jacobianの意味と計算
  準備学習:前回までの内容を消化しておくこと。
14.特に極座標変換による重積分の演習
  準備学習:前回までの内容を消化しておくこと。渡したプリントの問題を解いておくこと。積極的に黒板に出て解答して欲しい。
15. 学習成果の確認(後期末試験)
  準備学習:全般についてよく理解し、わからないことを残さないように。十分に計算練習しておくこと。

<成績評価方法及び水準>
期末試験一回で評価。授業時に配布する演習問題のプリント中から出題する予定。
他に、時間の許す限り授業時に演習を行うので、黒板で解答をした者には平常点を与え、試験の点数に加算する。また、授業時の質問に答えた場合やレポート課題を提出した場合にも適宜平常点を与える。以上の合計点が基準に達した者を合格とする。評価は厳格に行い、追試措置等は一切しない。

<教科書>
前期に同じ。

<参考書>
前期に同じ。

<オフィスアワー>
授業の前後の休み時間、八王子校舎1号館講師室で。質問歓迎します。

<学生へのメッセージ>
前期に書いたメッセージをまた読み返してください。後期は、前期数学Iに比べて格段に抽象性が増し、概念的にも難しくなります。前期にも増して、「これはどういうことなのか」と徹底的にわかろうとする姿勢が要求されます。数学Iの理解がまったく不十分だったり、おざなりの勉強をしていたのではまず身につかないと思ってください。なるべく授業時の演習時間を増やすつもりですが、自宅学習で問題演習を相当量こなしてもらうことが強く期待されます。丸暗記はダメです。腰を据えて、しっかり考える習慣をつけて欲しいと思います。

 

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