2010年度工学院大学 第1部電気システム工学科

哲学の現在(Problems of Philosophy)[1301]

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2単位
真達 大輔 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 「心とは何か」という古くて新しい問題について考える。大筋では心と身体の関係をめぐる議論を軸にデカルトの哲学を批判しつつ、それに代わる考え方を提示していくつもりではあるが、授業は絶対的な「正解」を与えることを必ずしも目指すものではない。むしろ刺激的な議論を次々に取り上げることで、曖昧なままに安定してしまっている我々の常識を破壊し、自分自身で考えるための材料を提供するつもりである。ゆえに、わかっていると思っていたことがかえってわからなくなることもありうるが、そのような混乱を通して各自の考え方をより豊かにしてもらいたい。
 また授業のほぼ毎回にわたって、何らかの文章を書いてもらう時間を取る。言葉を聞き、読み、それについての自分の考えを書き出してみることで、文章力の向上と、考える習慣の習得を期待したい。

<授業計画及び準備学習>
第1回  イントロダクション
第2回  デカルト的二元論の問題点〜心が身体を動かすことの不思議さ
第3回  「脳を調べても、心について知ることはできない」という議論
第4回  「私」の見る色は、他者が見ている色と同じであるか?
第5回  「私」はどこにいる?
第6回  脳を損傷した人々が示す人間の不思議さ
第7回  身体で知っているということ
第8回  空間について〜奥行きは横から見た幅ではない
第9回  なぜ時間が存在するのか?
第10回  心の本質は計算をすることにある?
第11回  感情と知性の複雑な関係
第12回  心は本当に実在するのか?
第13回  「私」は一人しかいないのか?
第14回  まとめ
第15回  学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
学期末に論文形式の筆記試験を行い、60点以上を合格として単位を認定する。

<教科書>
特に指定しない。
授業の中で資料を配布する。資料は多いので、紛失しないよう整理して保管すること。

<参考書>
必要に応じて、授業の中で紹介する。

<オフィスアワー>
 授業終了後に教室または講師室にて。気軽に声をかけて下さい。
 なお、授業中でも質問等は多いに歓迎します。一人一人の疑問・感想を教室全体に投げかけることは、お互いの理解を深めることにもなります。

<学生へのメッセージ>
 哲学は必ずしもわかりやすい学問ではないかもしれませんが、根源的なテーマについて一つ一つじっくり考えていく知的快楽があります。皆さんと「哲学」する楽しさを共有したいと思いますので、哲学に関して予備知識のある人も、ない人も積極的な参加を期待します。

 

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