2010年度工学院大学 第1部 *情報工学科

コンピュータビジョン(Computer Vision)[4D22]

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2単位
藤木  淳 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
コンピュータビジョンに関する研究は広範囲にわたっているため、授業では網羅することができない。そこで、本授業では、「2次元画像列からの3次元立体形状の復元」及び「パタン認識」というテーマの基本的な事柄について解説する。また、必要に応じて、他のテーマについての解説も行う予定である。

達成目標は以下の5点とする。

(1) 奥行のある被写体全体にピントを合わせる手法と原理について説明できること
(2) 射影幾何学の初歩的な事柄について理解し、基本的な定理を証明できること
(3) ピンホールカメラを数学的に記述でき、それに基づいて簡単な図形の像を計算できること
(4) ステレオ写真の原理について理解し、実際に撮影できること
(5) デジタルカメラ等の顔検出機能の原理について理解し、簡単に説明できること

<授業計画及び準備学習>
第1週 コンピュータビジョンとは何かを説明し、「画像列からの3次元情報の復元」というテーマのコンピュータビジョンにおける位置付けについて説明する。またカメラの歴史について概説する。

第2週 コンピュータビジョンにおいて通常用いられているカメラの構造及び理想的なカメラとしてのピンホールカメラの原理について概説する。

第3週〜第4週 射影幾何学の基本的事項について説明する。

第5週〜第6週 ピンホールカメラの幾何学及びステレオ画像の原理について説明する。

第7週 透視射影カメラのエピポーラ幾何学について説明する。

第8週 透視射影のアフィン近似射影とアフィンエピポーラ幾何学について説明する。

第9週〜第10週 3枚のアフィン近似射影画像からの3次元立体形状の復元手法について説明し,透視射影からの3次元立体形状の復元問題について概観する。

第12週〜第14週 パタン認識のための多変量データ解析手法について概説する。

第15週 パタン認識の応用(顔検出、顔認識手法)について概説する。

<成績評価方法及び水準>
達成目標に準ずる一度のレポートによって評価し、60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
特になし

<参考書>
佐藤淳、コンピュータビジョン、コロナ社、1999。

Hartley and Zisserman, Multiple view geometry 2nd edition, Cambridge, 2003.

ビショップ、パターン認識と機械学習(上)(下)、シュプリンガージャパン、2007。

<オフィスアワー>
質問等は、授業開始前、終了後に兼任講師室にてうけつける。

<学生へのメッセージ>
直交行列、射影行列、ベクトル積、3次正方行列の行列式と逆行列などの線型代数の基本的な事柄や偏微分については改めて説明することはないので十分に復習しておくこと。

 

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