2010年度工学院大学 第1部 *電気工学科

芸術と社会I(Art and Its Social Aspects I)[4B72]

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2単位
梅津 紀雄 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
【授業のねらい】
 この授業では西洋音楽史を主たる素材として、音楽と社会との関係を多面的に検討します。
 その際、日本における西洋音楽の導入の歴史についても合わせて検討したいと思います。【達成目標】
1)私たちの生活にあふれている音楽を学問的な対象として捉えなおし、2)音楽が社会の中で中立的に存在するのではなく、様々な相関関係を切り結びつつ存在してきたありようを具体的に学び、3)その際に参照される様々な概念についても一定の認識を身につけることです。

<授業計画及び準備学習>
1. シラバス確認、ガイダンス
 準備学習: シラバスを確認しておく
2. クラシック音楽とポピュラー音楽
 準備学習: 自分の身の回りにどんな音楽がどのようにあるか考えておく
3. 音楽と宗教(1)
 準備学習: キリスト教やグレゴリオ聖歌について事典などで確認しておく
4. 音楽と宗教(2)
 準備学習: コラールやカンタータについて事典などで確認しておく
5. 音楽とジェンダー(1)
 準備学習: カストラートについて事典などで調べておく
6. 音楽とジェンダー(2)
 準備学習: 例えば、習い事としてのピアノのイメージについて考えておく
7. 演奏会制度の成立
 準備学習: お金を払って演奏会に行くという形式をどのように疑い得るか考えておく
8. 音楽とナショナリズム(1)
 準備学習: ロマン主義について事典などで調べておく
9. 音楽とナショナリズム(2)
 準備学習: ナショナリズムについて事典などで調べておく
10. 音楽とオリエンタリズム
 準備学習: オリエンタリズムについて事典などで調べておく
11. 20世紀音楽(1)20世紀初頭の音響的探求
 準備学習: 未来派、微分音、12音音楽について事典などで調べておく
12. 20世紀音楽(2)20世紀後半の音響的探求
 準備学習: ミニマル・ミュージックについて事典などで調べておく
13. 音楽と政治(1)全体主義
 準備学習: 全体主義について事典などで調べておく
14. 音楽と政治(2)社会主義リアリズム
 準備学習: 社会主義リアリズムについて事典などで調べておく
15. まとめ、期末試験
 準備学習: 前回までの総復習を行う

<成績評価方法及び水準>
 成績は、平常点40%、教場レポート60%の配分で評価します。
 原則毎回感想や意見をレスポンスカードに書いて提出していただき、それにより平常点をつけます。出席するだけでは平常点は得られません。聞いていない人、感想や意見がない人には平常点はありません。
 教場レポートは試験期間に教室でレポートを書いていただくものです。毎回のレスポンスカードの積み重ねがよいレポートに結実します。
 なお、授業態度によっては試験の結果にかかわらず、単位を認定しません。

<教科書>
特に使用しません。毎回プリントを配布します。

<参考書>
・岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』中公新書
その他、講義中に指示します。

<オフィスアワー>
 授業開始前・終了後、教室または兼任講師室で。なお、単位に関する個別の交渉には応じません。

<学生へのメッセージ>
 私たちには、様々な意味での「他者」が存在します。すなわち、過去の人々、(民族や文化の異なる)外国、日本の異なる地域、異なる社会階層や異なる性(異性)の人々など、何らかの点で私たち一人一人とは異なる人々がいます。こうした「他者」に対する想像力を鍛えることも、総合文化科目の目的の一つと言えます。それを通じて、まだまだ自分にとって未知の世界があり、その未知の世界の人々には別の価値観があることを実感として身につけておくことも、この授業の目的にしたいと思います。

 

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