2010年度工学院大学 第1部 *電気工学科

電気システムデザイン(Electrical System Design)[3B73]

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2単位
高木  亮 准教授  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 世の中には実に多くのシステムがあるが,その中で電気システムは比較的大きなものでもその特性が良く解明されているし,設計もしやすい代表例である。電気工学を学んだ人が,未知の分野に対する適応力が強いのは,もともと五感では捉えることのできない電気的諸量を実験などを通じて体得したことと,電気に関する事例を通じてシステム工学的センスが養成されているためと思われる。この講義では,講義とそれに付随する4課題の演習を通じてシステム工学を疑似体験するとともに,教室での講義では比較的行いにくいとされるデザイン(設計)の問題に積極的に取り組んでいただく。
 これまでの講義や試験問題とは違って,正解がただ1つではなく無数にあるような問題(現実の社会にはこの例が多い)に取り組む姿勢も学ぶことになる。具体的には下に示す4例の演習課題を提示して,それぞれの目的意識に応じた柔軟な取り組みという疑似体験を通じてデザイン(設計)に対する手法を身につけることになる。

<授業計画及び準備学習>
1. 序論
  電気システムとは/この講義の性格/この講義の目的
2. デザインとは
  日本語としての「デザイン」と設計/評価と最適化
3. 制御との関連
  設計と制御/最適設計と最適制御/設計と制御との中間(両方)の部分
4. 交通システムのデザイン (その1) 電気車の設計 I 走行性能の設計 (1)
  列車の走行性能とは/基本的な設計
5. 交通システムのデザイン (その1) 電気車の設計 I 走行性能の設計 (2)
  演習用の設計課題を示しての具体的な補足説明
6. 交通システムのデザイン (その1) 電気車の設計 I 走行性能の設計 (3)
  同上・演習と宿題
7. 交通システムのデザイン (その2) 饋電システムの設計 (1)
  直流饋電システムの構成とその問題点/回生失効とその対策
8. 交通システムのデザイン (その2) 饋電システムの設計 (2)
  同上・演習
9. 交通システムのデザイン (その3) 電気車の設計 II 編成自由度の確保・向上 (1)
  編成の自由度とは/動力分散車両の利点を活かすために
10. 交通システムのデザイン (その3) 電気車の設計 II 編成自由度の確保・向上 (2)
  同上・演習
11. 交通システムのデザイン (その4) 列車ダイヤの作成とその評価 (1)
  列車ダイヤの現状と問題点/基本的評価/評価ツール『すうじっく』
12. 交通システムのデザイン (その4) 列車ダイヤの作成とその評価 (2)
  同上・演習用の通勤ラッシュダイヤの改善課題の提示と補足説明
13. 交通システムのデザイン (その4) 列車ダイヤの作成とその評価 (3)
  同上・演習
14. 総合演習
15. 学習成果の確認(レポート課題作成)

準備学習:予習は不要。復習は、配布物等をよく読み込むこと。

<成績評価方法及び水準>
 演習(宿題を含む)の4課題に対するメモ(最初の3回分)とレポート(最後の1回分)とで評価を行い試験は行わない。目的意識を持ってデザインの課題に取り組み達成感を得ることが重要なので,プロの目で見た出来映えの良さや記述の丁寧さ,正確さにはあまり重点は置かず,自分自身の考え方を反映することを重視する。また,卒業研究で忙しい時期でもあるから,宿題への期待は低めに設定し,通常の講義に対する予習・復習に要する時間で演習が完了する水準にする。

<教科書>
 不要。必要なものは全て事前に配布する。

<参考書>
 不要。必要なものは全て事前に配布する。

<オフィスアワー>
 講義終了直後。なお,これ以外の時間帯についても随時対応するが,その場合は担当者の電子メールアドレス takagi@cc.kogakuin.ac.jp に電子メールを送信し,アポイントメントをとったうえで,直接居室(新宿キャンパス A-2374 室)を訪問されたい。

<学生へのメッセージ>
 今年度から担当者が高木に変更になったが,昨年までの曽根教授による担当であったころと同様,学生側から積極的に参加し取り組むことにより大きな達成感が得られる,という意味で楽しい講義を目指すつもりである。意欲的な諸君の積極的な参加を希望する。

 

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