2010年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

線形代数学II(Linear Algebra II)[5563]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
陸名 雄一 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
線形代数学は微分積分学と並んで理工学系専門科目を学ぶ為の基礎となる科目である. 多くの自然現象・社会現象は「非線形な対象」であり, それを「線形な対象」で近似することによって性質を調べることが基本的な研究手段になる. 微分積分学はこの「近似」の手段であり, 線形代数学は「線形な対象」の研究手段であると位置付けることができる. 線形代数学 II では, 線形空間と線形写像に関する基本概念を理解することによって線形代数学の基礎事項を習得し, 実際に運用できるようにすることが目標である.

<授業計画及び準備学習>
括弧内の数字は教科書の章番号を表す.

1. ベクトルの一次結合
準備学習:線形代数学 I の内容を復習しておくこと
2. ベクトルの一次独立性
準備学習:ベクトルの一次結合について復習しておくこと
3. 部分ベクトル空間
準備学習:ベクトルの一次独立性を判定できるように復習しておくこと
4. 基底と座標
準備学習:与えられたベクトルを予め定められたベクトル達の一次結合として表示する方法を復習しておくこと
5. 線形写像
準備学習:(7-1) の例に倣って, 具体的な線形写像の例を作れるようにしておくこと
6. 線形写像の像と核
準備学習:線形写像の定義と具体例について復習しておくこと
7. 行列の階数
準備学習:掃き出し法について復習し, 計算技法を再確認しておくこと
8. 連立一次方程式の解構造
準備学習:掃き出し法による連立一次方程式の解法について復習しておくこと
9. ベクトルの内積とノルム
準備学習:高校で学習した内積計算について復習しておくこと
10. ベクトルの直交系
準備学習:(10-2) の例に倣って, シュミットの方法を 2 次元の場合に実行できるようにしておくこと
11. 直交行列
準備学習:三角関数の性質と計算について復習しておくこと
12. 固有値と固有ベクトル
準備学習:二次方程式の解法について復習しておくこと
13. 行列の対角化
準備学習:固有値・固有ベクトルの計算について復習しておくこと
14. 実対称行列の対角化
準備学習:シュミットの方法について復習しておくこと
15. 学習成果の確認 (試験)
準備学習:前回までの総復習を行うこと

<成績評価方法及び水準>
最終回に行う試験を50点満点, 演習課題 (適宜行う) の総合成積を50点満点で評価し, 合計60点以上を合格とする. 但し, 試験及び演習の全てに参加することを評価の前提条件とする.

<教科書>
押川元重・南正義 著 「精選 線形代数」 培風館

<参考書>
相談に応じて紹介する

<オフィスアワー>
講義終了後

<学生へのメッセージ>
疑問点を放置しないこと, 自ら手を動かして多くの「経験」を積むこと, が重要である. 授業への積極的な参加を期待する.

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2010 Kogakuin University. All Rights Reserved.