2010年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

線形代数学I(Linear Algebra I)[5562]

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2単位
陸名 雄一 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
線形代数学は微分積分学と並んで理工学系専門科目を学ぶ為の基礎となる科目である. 多くの自然現象・社会現象は「非線形な対象」であり, それを「線形な対象」で近似することによって性質を調べることが基本的な研究手段になる. 微分積分学はこの「近似」の手段であり, 線形代数学は「線形な対象」の研究手段であると位置付けることができる. 線形代数学 I では, 「掃き出し法」「行列計算」「行列式」「逆行列」について理解することによって, 線形代数学を運用する為の基本事項を身に付ける. また, これらを実際に計算する技術の習得も重要な目標である.

<授業計画及び準備学習>
括弧内の数字は教科書の章番号を表す.

1. 連立一次方程式の解
準備学習:高校までに学習した連立一次方程式の解法について復習しておくこと
2. 掃き出し法の紹介
準備学習:(1-2) の例に倣って, 与えられた連立一次方程式に対応する行列を書けるようにしておくこと
3. 掃き出し法の訓練
準備学習:(1-2) の例に倣って, 掃き出し法が完了した行列から元の連立一次方程式の解を復元できるようにしておくこと
4. 掃き出し法の演習
準備学習:連立一次方程式の掃き出し法による解法を練習し, 演習課題に備えること
5. 行列の定義と積
準備学習:和の記号 (シグマ記号) の用法を復習しておくこと
6. 行列の和とスカラー倍
準備学習:(2-4) を読み, ベクトル計算との類似点を確認しておくこと
7. 行列計算の演習
準備学習:これまでに学習した行列計算について復習し, 演習課題に備えること
8. 行列式の定義
準備学習:(3-1) の例に倣って, 2 次の行列式を計算できるようにしておくこと
9. 行列式の性質
準備学習:(3-4) に挙げられている行列式の性質を, 具体的な行列について確認しておくこと
10. 行列式計算の演習
準備学習:これまでに学習した行列式の計算法について復習し, 演習課題に備えること
11. 正則行列と逆行列
準備学習:正方行列の積の計算について復習しておくこと
12. 逆行列の計算法
準備学習:余因子及び掃き出し法について復習しておくこと
13. 逆行列計算の演習
準備学習:これまでに学習した逆行列の計算法について復習し, 演習課題に備えること
14. 連立一次方程式の解の公式
準備学習:(4-3) の例に倣って, 二元連立一次方程式をクラメールの公式を使って解けるようにしておくこと
15. 学習成果の確認 (試験)
準備学習:前回までの総復習を行うこと

<成績評価方法及び水準>
最終回に行う試験を60点満点, 4回の演習課題をそれぞれ15点満点で評価し, 合計72点 (60%) 以上を合格とする. 但し, 試験及び演習の全てに参加することを評価の前提条件とする.

<教科書>
押川元重・南正義 著 「精選 線形代数」 培風館

<参考書>
相談に応じて紹介する

<オフィスアワー>
講義終了後

<学生へのメッセージ>
疑問点を放置しないこと, 自ら手を動かして多くの「経験」を積むこと, が重要である. 授業への積極的な参加を期待する.

 

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