2010年度工学院大学 第1部応用化学科

物理学II(Physics II)[3162]

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2単位
幸村 孝由 准教授  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
物理学IIでは、物理学Iで学んだ力学の知識を基礎にして、熱力学と電磁気学の基礎についての講義を行う。熱力学の講義の部分では、熱力学状態量や熱のもつ物理的意味を理解し、物理現象を微視的立場から把握できることを目的とする。また、電磁気学の講義の部分では、電磁現象を「場」という概念により統一的に表現する法則・方程式に関して基礎知識を習得することを目的とする。

<授業計画及び準備学習>
15回程度ある授業のうち、前半1〜6回までは熱力学を、7〜13回を電磁気学について講義する。

<熱力学>
  1〜2回 熱力学を勉強するための予備知識
    1回 熱力学で扱う物理量、熱平衡とは?、準静的状態変化とは?
    2回 気体分子運動論、気体のする仕事、される仕事

  3〜4回 熱力学第一法則
    3回 熱力学第一法則、気体の状態変化I(定積変化、定圧変化)
    4回 気体の状態変化(等温変化、断熱変化)

  5〜6回 熱力学第II法則、エントロピー
    5回 熱力学第二法則II、Carnot の原理、Carnot サイクル、その他の熱サイクル
    6回 エントロピー、エントロピー保存の法則
 
 7〜11回 電場
    7回 電磁気学を勉強するための予備知識(Maxwell方程式など)、クーロンの法則
    8回 電場とはI (電場の重ね合わせの原理)
    9回 電場とはII (電場のガウスの法則)
  10回 電位とは
   11回 コンデンサーと電気抵抗
  
 12〜13回 磁場
   12回 磁場とはI (磁場のガウスの法則、アンペールの法則)
   13回 磁場とはII(ファラデーの電磁誘導の法則、マウスウェル・アンペールの法則、電磁波)

 14回 現代物理(相対性理論、宇宙論など) 

 15回 定期試験

<成績評価方法及び水準>
成績評価=A+R×Bとし,その値が60点以上の者に単位を認める。
A=期末試験の評価点(100点満点),B=小テスト、レポート課題による評価点(25点満点)。Aが35未満はR=1,Aが35以上はR=[(100−A)/65]2。

  #小テストは1回ないしは2回実施する予定である。
  #宿題は毎回

<教科書>
特に指定しない。本屋さんにある熱力学、電磁気学の教科書を、各自一度読んでみて自分にとってわかりやすいものを選ぶことを薦める。

<参考書>
熱力学、電磁気学の教科書は数多くのものが出版されているので、各自自分にあったものを探すことを薦める。その時、あまり目移りせず、一冊の本を深く理解することをすすめる。
あくまで参考ではあるが以下の教科書をあげておくが、決して全部買ってもらうということではない。

<熱力学>
 戸田盛和「熱力学」岩波書店
 フェルミ「熱力学」三省堂

<電磁気学>
 長岡洋介「電磁気学III」岩波書店
 砂川重信「電磁気学の考え方」岩波書店

<ちょっと発展的な内容も含んだ参考書>
・「物理学スーパーラーニングシリーズ 電磁気学」著者:佐川他(Springer) 

<熱力学、電磁気学の広い分野を網羅した参考書>
・「基礎物理2−電磁気・波動・熱−」 著者:金原他(実教出版)

<力学、熱力学、電磁気学の広い分野を網羅した参考書>
・「工科系の初等物理」  著者:山本邦夫(学術図書出版)
・「理工系 物理学講義」 著者:加藤潔 (培風館)

<オフィスアワー>
木曜日3、4限目(八王子校舎)

<学生へのメッセージ>
基本から、ゆっくりとしたペースで授業を進める予定です(約束はできないかも)。また、授業のことに関する質問は大歓迎です。オフィスアワー以外で質問に来る際には、電子メール(メールアドレスは一回目の講義の際に連絡する)で連絡のこと。また、講義中にも演習を兼ねた例題の解説を行なうことがあるが、演習問題の解説を行なうことが本講義の目的ではない。演習をこなし、より理解を深めたい学生は、物理学演習IIを履修することを勧める。また、学習支援センターなども利用して、基本的なところから理解する努力を怠らないこと。

<備考>
なお、講義の進行状況によっては、1年生後期に開講された物理学Iの講義期間中にシラバスに記載した内容の講義を全て終えることができないことがある。その場合は、物理学IIの最初の1,2回分の
講義の際に、物理学Iの内容について講義することがある。そのため物理学IIの14回の講義
内容を変更することがある。

また講義では、毎回ではないが、予習・復習を兼ねた宿題をレポートして提出してもらい、小テスト(2回程度の予定)も行う予定である。
講義に出席するには、毎回の予習復習などの各自の努力が絶対不可欠である。

 

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