2010年度工学院大学 第1部応用化学科

物理化学II(Physical Chemistry II)[2358]

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2単位
小野 擴邦 教授  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
化学における基礎的な問題として、化学反応の方向性と化学反応の進行速度が挙げられる。前者は化学平衡の問題であり、後者は平衡に到達する反応速度の問題である。講義では反応が平衡に達するまでの速さや反応機構の理解のために基礎的な化学反応速度論を中心に学ぶ。
達成目標: 1)反応速度式と速度定数を理解する。2)反応速度の温度依存性を理解し活性化エネルギーの算出ができるようになる。3)反応機構をもとに定常状態ではどのような近似がされるかを理解する。4)衝突理論と活性錯合体理論の概要を理解する。

<授業計画及び準備学習>
1. 分子運動論の基礎
2. 反応速度式と速度定数
3. 速度式の決定
4. 反応速度の温度依存性
5. 速度式の解釈
6. 分子反応
7. 連鎖反応
8. 重合の速度論
9. 酵素反応
10. 触媒反応
11. 複合反応の解析
12. 衝突理論
13. 遷移状態理論
14. 反応の分子動力学
15. 学習成果の確認(試験):前回までの総復習

<準備学習> 各講義の少なくとも1週間前には講義資料をウエブ上に掲載するので、それを事前に読んで理解しておくこと。

<成績評価方法及び水準>
原則として、定期試験での最終成績を評価し60点以上のものに単位を認める。ただし、中間理解度チェックなどの成績を加味する場合もある。

<参考書>
「アトキンス物理化学(下)第6版25章〜27章」千原、中村訳、(東京化学同人)、「反応速度論」第3版、慶伊富長著(東京化学同人)、「反応速度論-化学を新しく理解するためのエッセンス」斉藤勝裕著(三共出版)など

<オフィスアワー>
授業前後(教室):これ以外にも、1日前までにメール予約等があれば調整の上、適時対応する。

<学生へのメッセージ>
理論は実際に起きている複雑なことを完全に記述することはできません。しかし、ある種の仮説を建てることにより実際の事項に近似することができます。その近似にはどのような仮説が前提となっているのかを良く理解してください。
反応と反応速度の問題は化学系の技術者、研究者が必ず直面するものです。先人達が体系化したエッセンスを自分のものとしよう

 

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