2010年度工学院大学 第1部マテリアル科学科

応用鉱物化学(Applied Mineral Chemistry)[2B11]

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2単位
廣田 幸逸 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
天然鉱物と天然鉱物を原料とする基礎材料(セメント,陶磁器,耐火物など)を中心に講義をするが、人工鉱物のセラミック、なかでも近年の科学技術の発展を支えているファインセラミックについても詳しく解説したい。さらに、最先端技術であるインテリジェントマテリアルについても多少扱いたい。以下に具体的な達成目標を示す。
(1)鉱物についての知識を習得するとともに、材料技術の基礎である鉱物の多種多様な機能を理解すること。
(2)機能発現の根拠となっている材料化学の基礎理論と技術を学び、深い識見を持てるようになること。また、新しい用途への材料開発の力をもつことができること。

<授業計画及び準備学習>
天然鉱物の基礎知識と材料化学の基礎である鉱物材料の生成、性質,応用について,工学的な立場で講義する。また、近年の最先端材料化学技術についてもその設計思想から、原理、機能並びに、今日までの研究開発の段階や現在の状況にも触れ、無機材料化学全般の概要も把握出来るように配慮する。
(1)鉱物の種類と分類、鉱物を構成する元素(組成)、鉱物の性質、ならびに鉱物と工業の関わり、および、鉱物の材料資源としての重要性について(概論)。
(2)鉱物の多種多様な機能と性質、用途、利用について(各論)。
(3)鉱物の結晶とその基本形、結晶学的構造。
(4)鉱物の不思議な色、鉱物の光学的な性質など、鉱物の物性とその機能の測定法。
(5)主な有用鉱物(材料)の結晶構造と力学的、熱的、電磁気的、機械的、化学的性質。
(6)生長する結晶のかたち。鉱物の不思議な結晶。鉱物の合成と技術、成形と利用。
(7)天然鉱物を原料とする基礎材料の製造、物性、構造、利用。
(8)固体の関与する反応。固相反応、吸着反応、触媒反応など。
(9)鉱物の結晶構造と欠陥。非化学量論組成と点欠陥、線欠陥(転位)、面欠陥(粒界)。
(10)鉱物材料の形態と特色。焼結体、多孔体、薄膜などの表面や界面での物性と反応。
以下人口鉱物についても出来るだけ多くの最新情報を混えながら限り紹介したい。
(11)人口鉱物の製造、物性、構造、利用。
(12)人口鉱物(機能性セラミック)の機能、反応および設計とその応用。
(13)インテリジェント材料、次世代複合材料、ならびに分子識別機能材料とそれらの設計思想と将来展望。
(14)テストを行ないます。これまで学習して来たことの総仕上げです。
(15)テストの内容の解説と詳解、および最後に、今年の学会でのこれ迄の研究の進歩の情勢について紹介する。

<成績評価方法及び水準>
リポート,テストならびに,出席で総合評価を行なう。リポートは課題5項目中3題以上について報告し、
試験で60点以上の者に単位を認める。再試験は行なわない。

<教科書>
講義ごとにプリントも配付します。

<参考書>
「鉱物図鑑」青木正博著(誠文堂新光社) 
その他参考書としていくつかの単行書を講義の中で紹介します。

<オフィスアワー>
日時:毎週の講義の前後(講義が始まる前)と講義終了後
場所:新宿キャンパス講師室
E-mail:hirota305@jcom.home.ne.jp

<学生へのメッセージ>
天然鉱物と天然鉱物を利用した基礎材料科学と応用化学を詳しく分かりやすく解説します。また最近の最先端の技術や難解な原理や機構をも分かりやすく簡潔に明瞭に解説いたします。材料科学や先端科学技術に興味をもっている多くの学生の受講を期待しています。

 

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