2010年度工学院大学 第1部環境化学工学科
化学工業概論(Introduction to Chemical Industry)[1C08]
2単位 松本 英之 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- これまでの化学工業の変遷を歴史的に振り返りながら、人類の生存に化学技術が深く依存していることを認識すると同時に、化学物質は量や使い方を誤ると人の健康を害するものともなるという両面性を理解して、これからの化学工業の向かうべき方向性について理解して貰いたい。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンス 化学工業の重要性、特徴、日本の化学産業
準備学習:化学工業とはなにかを調べておく、衣食住と化学工業との関係、資源・エネルギー問題 2.化学工業の役割、特徴 準備段階:化学工業の特徴について調べておく、エネルギー多消費、連産性、装置産業、研究開発 3.技術史的にみた化学工業の変遷、時代のニーズ、ヨーロッパにおける化学工業の幕開け 準備段階:これまでの化学原料の変遷を調べてみる、 4.無機化学工業1.基礎化学品製造(硫酸、苛性ソーダ等) 準備段階:硫酸、苛性ソーダの製造法を調べておく、ソーダ工業と塩素の製造、副生品による公害 5.無機化学工業2.基礎化学品製造(アンモニア、硝酸等)、空中窒素の利用を可能にしたもの 準備段階:アンモニアの製造法を調べておく、 6.現在は石油の時代 石油精製の役割、ガソリン、灯油、軽油、ナフサ 準備段階:石油精製から生み出される製品を調べておく、 7.石油化学工業1.エチレン、プロピレン製造とその誘導品、石炭、コールタール、アセチレン化学 準備段階:エチレン、プロピレンからの誘導品について調べておく、 8.石油化学工業2.BTXの製造とその誘導品 準備段階:芳香族からの誘導品について調べておく 9.バイオテクノロジー、発酵工業から進化したバイオ技術 準備段階:バイオ利用技術の利点と欠点について調べておく 10.材料化学、高性能機能材料、複合材料とその設計手法 準備段階:最先端材料技術といわれるものを調べておく 11・エネルギー問題と化学の役割1、クリーンエネルギー開発、GTL,燃料電池 準備段階:エネルギー分野での化学の役割について調べておく 12.エネルギー問題と化学の役割2、水素社会へのステップ 準備段階:日本の一次エネルギー収支について調べておく 13.環境規制と化学工業:大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法、化学物質審査規制等 準備段階:大気、水域、土壌における汚染物質について調べておく 14.化学工業の将来展望、グリーンサスティナブルケミストリー 準備段階:GSCについてその意味するところを調べておく 15.学習成果の確認(レポート) 準備段階:授業で話したことを復習する
- <成績評価方法及び水準>
- 5回目と10回目の授業の際に、ミニレポートテーマを出題する。このレポートをそれぞれ25点満点で採点する。最後の授業の際に、これまでの授業における理解力をみるためのレポートテーマを出題する。こちらは50点満点で採点し、都合3回のレポートの採点結果を集計して、60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 特に教科書は使わない。毎回授業の度にその日のテーマに即したプリントを配布して、それに基づき授業を行う。
- <参考書>
- 最初の授業の際に紹介する。
- <オフィスアワー>
- 毎回授業終了後、新宿キャンパス12F講師室で30分程度待機している。
- <学生へのメッセージ>
- 化学を志す学生諸君が、社会にでて少しでも役立つような授業をしたい。この授業を履修して、日本の化学産業を担う人材となって欲しい。
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