2010年度工学院大学 第1部環境化学工学科

表面工学(Surface Chemical Engineering)[1A08]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
五十嵐 哲 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
表面の構造や物理・化学的性質は予想以上に多彩であり,物質や材料の特殊な機能が"表面”で決定されていることも多い.20世紀の後半に開発されたすぐれた表面機能材料は,高度な科学技術社会を支える最先端のナノテクノロジーの主要なパートを占めている.そこで,基礎編では表面とは何かを理解するために,表面の構造,性質,化学的反応性,基本的表面処理,表面加工について学ぶ.続いて,表面が直接関与するナノテクノロジーや地球環境保全を含む応用技術について,最新のデータを用いて紹介する.また,幅広い分野での表面機能材料の役割を具体的に知ることによって,専門的な判断力を養うことを目的とする.
内容の理解を深めるために,計算を中心とする演習を行なうので,電卓を持参すること.

<授業計画及び準備学習>
【 I 基礎編 】
1.はじめに−表面工学とはなにか−先端技術を支える基礎技術
2.表面とはなにか−固体表面とバルク,表面ナノ構造とは,配位不飽和
3.表面・界面の特性および反応性,表面エネルギー,表面の反応性
4.吸着とはなにか−物理吸着と化学吸着の現象と理論,BET多層吸着モデルと応用,
 Langmuir化学吸着モデル,吸着熱
5.化学吸着−選択性,解離・非解離,吸着サイトと吸着種の構造・反応性
6.表面の構造・性質および吸着種を同定する−構造解析,分光学的測定  
7.液体表面のエネルギー−濡れと接触角,表面の親水性・疎水性,Young-Laplace式
8.学習成果の確認(試験)

【 II 応用編 】
9. 接着と粘着
10.表面処理・加工−腐食,防食,塗装,摩擦,磨耗と潤滑,表面改質
11. 超微細加工−表面研磨,蒸着,フォトレジスト,プラズマ加工とLSI,ナノデバイス設計  
12.薄膜の世界−単層膜,多層膜,有機−無機高機能性膜
13.超微粒子の世界(ナノ粒子,クラスター,研磨剤,インクジェット技術,CNT)
14.表面の化学機能(表面錯体,触媒機能)
15.学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
原則として,中間に行なう試験を60点満点,最終回に行なう試験を40点満点で評価し,合計60点以上を合格とする.

<教科書>
プリント配布

<参考書>
「界面化学 新版」近藤保著(三共出版)
「界面化学」近澤正敏,田嶋和夫共著(丸善)

<オフィスアワー>
授業終了後1時間.それ以外でもメールで約束の上,対応可.
E-mail: igarashi@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
後期科目の「触媒プロセス工学」で学ぶ触媒作用も表面現象です.表面現象の不可思議さと面白さを学びましょう.

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1019/

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2010 Kogakuin University. All Rights Reserved.