2010年度工学院大学 第1部機械システム工学科

応用解析学(Applied Analysis)[4D15]

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2単位
江澤 潤一 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
工学の基礎的な法則は微分方程式で表現される。本講では,偏微分方程式とその解法に必要な数学的手法を学ぶ。講義の大部分は,基本的でしかも広く現れる二階線形微分方程式(双曲型,放物型,楕円型)の初期値問題・境界値問題にあてられる。また,この解法に関連して,直交関数展開やフーリエ級数展開についても学ぶ。(注意:実数関数の微分・積分は既知とし,常微分方程式についても初歩的な知識は仮定する。なお,本講では解の存在や級数の収束性に関する詳細な議論は行わず,解を求めることや,その物理的意味に主眼を置く。また,数値解法についても議論しない。)

<授業計画及び準備学習>
1. 序論(常微分と偏微分)。物理現象に現れる常微分方程式の例
2. 物理現象に現れる偏微分方程式の例
3. 偏微分方程式の定義と分類
4. 一階線形偏微分方程式の解法。ラグランジュ偏微分方程式
5. 一階線形偏微分方程式の解法。全微分方程式
6. 変数分離法
7. 二階偏微分方程式の分類
8. 一次元波動方程式(双曲型)の初期値問題
9. 一次元波動方程式の境界値問題
10. フーリエ級数展開
11. 波動方程式再考(フーリエ級数による解法)
12. 一次元熱伝導方程式(放物型)のフーリエ級数による解法
13. ラプラス方程式(楕円型)の境界値問題
14. 偏微分方程式のまとめ
15. 学習成果の確認(定期試験)

<成績評価方法及び水準>
1)可能な限り頻繁に,それ以前の授業内容を題材に小テストを実施する。小テストの総合点を100点満点で評価し,A点とする。
2)定期試験は,100点満点で評価し,B点とする。
3)最終評価点Fは,F=A*(1-x)+B*xである。xは,X>0.5の範囲で総合的に決める全学生に共通の係数である。Fが60点以上を合格とする。

<教科書>
「キーポイント 偏微分方程式」河村哲也(岩波書店,理工系数学のキーポイント10)

<オフィスアワー>
「木曜日16:40−17:00講師室」

<学生へのメッセージ>
1. 自分の手を動かして,数多くの例を計算してみることが重要である。なるべく具体的な応用例を取り上げるので,労を惜しまず勉強すること。
2. 演習の時間がとれないので,ホームワークとして授業でとりあげた問題を再度解き完全に理解すること。
3. 理解にはステップを踏む必要があるため,1,2をきちんと行って,各回の授業内容を体得することが肝要。

 

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