2010年度工学院大学 第1部機械システム工学科

物理学I(Physics I)[2106]

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2単位
進藤 哲央 講師  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
物理学Iでは、力学とよばれる分野を中心に学習する。力学とは、運動の法則を体系化したものである。
この講義では、力学を題材に、以下のようなものごとのとらえ方や考え方の習得を目的としたい。
1) 物理量というものが、単位をもった量であるということを理解する。
2) 力学の基本法則の意味について理解する。特に保存則についてしっかりと理解する。
3) 力学の学習を通して、物理的・科学的なものの考え方を身につける。
4) 物理を学ぶにあたり、数学を道具として使いこなせるようになることを目指す。特に、そこで使われている数学が物理的イメージと結びついていることを理解する。

(JABEE学習・教育目標)
「機械システム基礎工学プログラム」: (C-1)基礎科学・物理系:◎
(JABEEキーワード)
「機械システム基礎工学プログラム」:質点の力学、剛体の力学、自由振動

<授業計画及び準備学習>
1. 講義内容のガイダンス、物理学とは、 物質の成り立ちについて、単位と次元
準備学習: 1回目に関しては特に準備は必要ない。
2回目以降の準備学習に関しては、講義の中でその都度指示するが、基本的にテキストや参考書の該当する箇所を読んで、その部分の何が分からないかを明確にしておくこと。
2. 物理学を楽しむための数学的準備 I (ベクトルについて)
3. 物理学を楽しむための数学的準備 II (微分積分について)
4. 物理学を楽しむための数学的準備 III (微分積分とその利用方法)
5. 質点の力学、運動の3法則、運動方程式の意味とその使い方
6. 運動量保存則と衝突問題
7. 自由落下、投げ上げの問題
8. 抵抗力のある運動(雨粒の落下)
9. 振動現象 (自由振動、減衰振動)
10. 摩擦のある運動
11. 惑星運動と万有引力の法則
12. 仕事と運動エネルギー
13. ポテンシャルとエネルギー保存則
14. 剛体についてのあれこれ
15. 学習成果の確認 (試験)

<成績評価方法及び水準>
A) 定期試験を実施し、100点満点で評価する。
B) 単に出席しているだけでは成績評価に何の影響も及ぼさない。授業中に適宜小テスト、レポート等を実施し、これらの合計を60点満点で評価する(全回提出したからといって満点にはならない、内容が重要)。

最終評価は、まず(A)の定期試験の結果のみに基いて行い60点をもって合格点とする。
(A)の結果が60点未満の者に限り、(A)を40点満点で評価しなおしたものと(B)とを合計し、その合計が60点を超える場合には、最終評点60点を与え、合格とする。

<教科書>
特に指定はしない。書店や図書館で、力学の教科書をぱらぱらと眺めてみて、自分にあうものを選ぶのがよい。
一冊の教科書をじっくりと学習することをおすすめする。
授業内容に関しては、キューポートを通じて配布する資料に沿って行うので、事前に各自ダウンロードして授業に備えておくこと。

<参考書>
教科書選びの参考として、いくつかの本をリストしておきます。
『理工系物理学講義』加藤潔(培風館)力学だけでなく、物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられた教科書。
『一般物理学 上・下』太田信義 (パリティ物理学コース) 上記の本と同じく、物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられています。
『新・物理学入門』山本義隆 (駿台文庫) 大学入試の参考書ですが、物理学Iでやる内容については充分な内容があります。
『物理入門コース 力学』戸田 盛和 (岩波書店) きわめて標準的な力学の教科書。
『力学の考え方』砂川重信 (岩波書店) これも標準的な力学の内容をあつかっている教科書
以下は講義内容とは直接関係ありませんが、おすすめの本をいくつか挙げておきます。
『数学ガール』結城浩 (ソフトバンククリエイティブ) 数学の楽しさが詰まった本。数学アレルギーの人におすすめ。
『高校で教わりたかった物理』田口善弘 (日本評論社) 物理っぽいものの見方について書かれた本。
『サはサイエンスのサ』鹿野司 (早川書房) 科学の色々な話題が面白く紹介されています。

<オフィスアワー>
火曜および水曜の5限(八王子 1号館206号室)
不在の場合もあり得るので、できれば事前に電子メールで連絡しておいたほうがよい。

<学生へのメッセージ>
高校物理の知識は前提としません。高校数学の知識は必須です。高校で学習した数学(特に関数、微分積分等)に自信がない場合は、しっかり復習しておいてください。
授業中の講義内容に関する質問は大いに歓迎します。
オフィスアワーを設けているので、授業に関する質問等に利用してください。
オフィスアワー以外でも、質問がある場合には、電子メールを利用して質問してください。
受講者の層が広いため、退屈に感じたり難しく感じたりする人が出てくるかと思いますが、そういう場合は特にオフィスアワーや電子メールを利用してコンタクトをとることをおすすめします。
力学に限らず、理系の学問では、自分で手を動かして問題を解いたり、教科書に載っている式を自分で変形して、公式を導出したりすることが、内容の理解を助ける重要な要素になります。講義時間は限られているため、講義のみでは、これら基礎訓練のための時間が十分にとれません。これらを補うために、上に挙げた参考書等にのっている問題を自分で考えて解く等、自習することが大切です。
授業時間だけで、全てを理解することは不可能であると思っておいてください。

 

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