2010年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△世界の社会思想(Social Ideas in the Western World)[1310]
2単位 荒川 敏彦 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 現代社会において、自由に生きる、よりよく生きるとは、どういうことなのか。また、それはいかにして可能なのか。一人一人の人間の生き方を方向づけているのは、社会のあり方である。したがって、個人(わたし)が生きる条件を考えるにはその社会について、逆に、社会の形成要因を考えるには社会を構成している個人の生き方について考えなければならない。
授業では、個人が自由に生きることの意味を探索しながら、それを規定している社会的条件とその変革の可能性を考えていこう。偉大な思想家たちの思索をヒントに、自分の生きている「いま、ここ」の社会を見つめ直す作業である。社会と個人を分断することなく、歴史的、構造的に関連づけるために、漠然とした印象を超えて明晰な論理へと言語化できるようになることが目標である。
- <授業計画及び準備学習>
- テキストは読みやすく、自力でも容易に読みこなせるだろう。授業では、学生の皆さんの意見や疑問に応答しながら、より深く理解するためのヒントを提供する。
(1)ガイダンス、現代社会で「よく生きる」とはどういうことか 準備学習:「自由とは何か」を考えられる精神の自由について考える (2)人は、いま生きているように未来をつくっている (3)小さな俗事を何か非常に重要なことと考えてしまう (4)世界に驚く (5)自分はつねに、河を渡っている途中であるということ (6)不完全な人間と人間解放・社会変革 (7)人間の進歩と退化 (8)宗教改革とデカルト (9)資本主義を支える精神態度 (10)サクセスストーリー批判 (11)カネと権力と奴隷 (12)絶望 (13)希望 (14)まとめ 準備学習:テキスト第3章を線を引きながら読む (15)学習成果の確認(試験)
準備学習:毎回テキストを1節ずつ(わずかの分量)読み進めるので、事前に線を引きながら(=痕跡を残しながら)読んでおくこと。
- <成績評価方法及び水準>
- (1)学期末の筆記試験(60%)
(2)授業中の小レポート(40%) (1)と(2)を総合して、60点以上の者に単位を認める。 テキストをよく理解しているか、自らの頭で考えたことを言語化(文章化)できるかが基準となる。
- <教科書>
- 内山節『哲学の冒険――生きることの意味を探して』平凡社ライブラリー
- <参考書>
- 各回に取りあげる思想家の著作はどれも参考書となる。「世界の名著」シリーズなど、図書館にあるものを手にとってみるとよい。
- <オフィスアワー>
- 授業終了後、教室で。
- <学生へのメッセージ>
- テキストは読みやすい。現代社会においていかに生きるかを考える手がかりとしてほしい。
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