2010年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース

精密加工学(Precision Machining)[1A02]

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2単位
松井 伸介 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
現在の半導体デバイス、光ファイバに代表されるIT・通信部品産業を支える精密・超精密加工技術。さらに自動車、航空、エネルギー、医療へと適用範囲広げている。この技術について加工された部品、測定技術まで含めて講義する。以下に具体的な達成目標を示す。
(1) 精密・超精密加工の基礎となる3つの機械加工(切削加工、研削加工、研磨加工)の定義および特徴をミリからナノ(ナノ加工技術)へというスケールの変化を軸に理解する。
(2) 精密機械加工技術の実際の製品への適用例を知り、現在の最先端産業にとっていかに重要な技術であるか理解する。
(3) 広い意味での精密加工技術の一つとしてのレーザ加工についてその特徴を理解する。また、レーザを用いた計測技術、通信部品等についても理解する。
(4) 精密・超精密加工を実現する方法を検討し、理解あるいは新たに創案する。
(5) さまざまな計測技術の特徴を理解する

<授業計画及び準備学習>
第1週 精密・超精密加工技術の概要を説明する。
第2週 切削加工、研削加工についてそれぞれの特徴と違いを理解する。
第3週 研磨の定義および実施形態について説明する。
第4週 切れ刃としての砥粒について説明する。
第5週 CMP:研磨加工における化学作用の援用。
第6週 半導体デバイスプロセスにおける精密加工技術について説明する。
第7週 エネルギービーム、測定プローブ、通信信号としてのレーザ光について説明する。
第8週 レーザ加工等の特殊加工技術について説明する
第9週 精密加工に欠かせない計測技術、およびレーザ等を応用した最先端測定技術について説明する
第10週 光通信部品加工技術(LD,コネクタ、)について説明する。
第11週 光通信部品加工技術(ファイバ)について説明およびデモを行う。
第12週 加工技術デモ、及び精密加工技術のの医療への応用に付いて説明する。
第13週 次世代精密・超精密加工技術としてのマイクロ、ナノ形状加工技術について説明する。
第14週 補足、演習
第15週 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
定期試験を60点、講義中出題する課題・レポートを40点としその合計得点により最終成績を評価する。60点以上に単位を認める。

<オフィスアワー>
授業後に兼任講師控え室において行う。

<学生へのメッセージ>
精密加工は、最先端であり身近でもあるLSI、磁気ディスク、光通信部品、ディスプレイ産業の基盤を担う日本にとって重要な技術であり大きな産業であることを理解してもらう。ただし加工というものの本当の理解はどうしても実際に加工することが必要となるので授業では光通信部品の実際の加工の机上でのデモンストレーション、課題に対する新しい加工法の考案等の演習も入れながら加工への実感もできるだけ伝わるようにしたい。

 

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