2010年度工学院大学 第1部機械工学科

化学実験(Experiments in Chemistry)[5205]

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1単位
河野 博之 准教授  
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最終更新日 : 2011/02/21

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
一般教養として基礎的な化学の実験を通じ、化学変化を実際に観察して、化学理論を実験的に検証する。その上で化学の基本的素養を身につけ、広い視点から科学的に物事を思慮できる人格の形成を目指す。
以下に具体的な達成目標を示す。
1)無機陽イオンの分離・確認を通して定性分析の基本を理解する。
2)中和滴定操作を通して定量分析の基本を理解する。
3)無機化合物の合成と精製の方法、収率の概念を理解する。
4)最も身近な物質である水を精製する方法とその純度評価法を理解する。
5)有機高分子化合物を合成し、重合の概念を理解する。
6)レポートの作成を通して、現象の観察と記述、実験データの解釈、結果の評価と報告についての基本を身につける。
<JABEE 基本キーワード> 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎、(C)○、(F)○
<JABEE 個別キーワード> 機械工学エネルギー・デザインプログラム」:化学、単位と標準、不確かさと精度、相変化
<前提となる基礎知識と習得後の展開>
本科目の履修の前提となる知識・科目は特にないが、化学を得意としていない学生は、授業の進行に応じて必要な基礎知識の習得に努めてほしい。さらにより理解を深めるために、「化学I」・「化学II」を履修して理論的背景を学ぶことが効果的である。また、本科目で化学の基本的素養を修得することは、今後の専門科目の履修ばかりでなく、工学全分野で有用である。

<授業計画及び準備学習>
高校で化学を履修していない学生に配慮し、高校化学程度の初歩的な内容からはじめる。実験はほとんど個人で行う。実験テーマは、定性分析の基礎を修得した後、未知試料の定性分析実験、初歩的な定量分析実験を行い、さらにいくつかの物理化学実験、合成実験を行う。他クラスとの進度の調整のため、以下の予定はやむを得ず変更になることがある。
第1週:実験を行うにあたっての注意・ガイダンス
第2週:無機陽イオン各個別反応1
第3週:無機陽イオン各個別反応2
第4週:第一属陽イオン混合試料の分析
第5週:第三属陽イオン混合試料の分析
第6週:第一属・第三属陽イオン混合試料の分析
第7週:第一属・第三属未知試料の分析
第8週:酸塩基指示薬を用いた実験
第9週:アルカリ標準液による酸の滴定
第10週:市販食酢中の酢酸成分の定量
第11週:硫酸銅の合成と再結晶
第12週:蒸留水の製造と比抵抗率測定
第13週:ナイロンの合成
第14週:まとめ

<成績評価方法及び水準>
実験・実習系の科目であるので、毎回の出席と全てのレポート提出を評価の前提とする。基本点を50点とし、欠席・遅刻・レポート提出遅れ・未提出などは基本点の減点対象とする。さらに毎回のレポート内容を5点満点で評価し、その総得点を50点満点に規格化して基本点に加点する。成績はそれらの合計点で評価する。評価法の詳細は最初の授業の際に説明する。
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」の学習・教育目標(D)(C)(F)は、上記の基準を満たせば、達成される。

<教科書>
テキストを配布する。

<参考書>
「化学実験 第3版」 東京大学教養学部化学教室化学教育研究会編(東京大学出版会)
「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版)
「ダイナミックワイド 図説化学」(東京書籍)

<オフィスアワー>
実験中の質問を歓迎する。
時間外では、金曜日 12:30〜13:00 講師室において、およびE-mail(seino@iis.u-tokyo.ac.jp)でも受け付ける。

<学生へのメッセージ>
安全に注意しつつ、興味を持って実験に取り組んで下さい。また実験は立って行うので、健康にも十分配慮して臨んで下さい。実験操作とともに重要なのは、レポートの作成です。実験とレポート作成の一連の作業を通して、自然現象の観察力、データを整理・統合する能力、論理的文章の構成力などを養って下さい。提出物の締切はしっかり守りましょう。

<備考>
実験ノート(B5程度のサイズ)を一冊用意すること。

 

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