2009年度工学院大学 第2部建築学科

文学A(Literature A)[3701]

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2単位
吉田 司雄 教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 サマセット・モームの挙げた「世界の十大小説」を数年かけて読んでいきたい。そう思い、昨年度の文学Bではドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』全5冊を読了した。亀山郁夫の新訳(光文社古典新訳文庫)が100万部を超えるベストセラーとなった評判作である。今年度の文学Aでは、同じく光文社古典新訳文庫版が話題となったスタンダールの『赤と黒』を、ついでエミリー・ブロンテ『嵐が丘』を読んでゆく。繰り返し映画化された『嵐が丘』については、それぞれの映像を一部分参照しながら、テーマの多層性や翻訳可能性について考察してゆく。歴史的社会的な背景にも目を向けながら、文学テクストの読解力を養うことを目標としたい。

<授業計画及び準備学習>
 1 ガイダンス(履修上の注意と毎回提出の課題の説明)
 2 『赤と黒』とその時代
 3 『赤と黒』第1部を読む(1)
 4 『赤と黒』第1部を読む(2)
 5 『赤と黒』第2部を読む(1)
 6 『赤と黒』第2部を読む(2)
 7 『赤と黒』第2部を読む(3)
 8 ブロンテ姉妹とその時代
 9 『嵐が丘』を読む(1)
10 『嵐が丘』を読む(2)
11 『嵐が丘』について(1)−ウィリアム・ワイラーを媒介に
12 『嵐が丘』について(2)−ルイス・ブニュエルを媒介に
13 『嵐が丘』について(3)−ジャック・リヴェットを媒介に
14 『嵐が丘』について(4)−吉田喜重を媒介に
15 学習成果の確認(最終レポート作成)

<成績評価方法及び水準>
 「文学」の授業では、まず取り上げる作品をきちんと読むことが基本。毎回宿題に課したところまでの感想文を執筆してもらうことで、平常点を算出。学期末に提出をもとめる最終レポートとあわせて評価し、60点以上の者に単位を認める。最終レポートの比重は6割。ただし、最終レポートのみ提出しても評価の対象としない。

<教科書>
 スタンダール、野崎歓訳『赤と黒』上下(光文社古典新訳文庫)800円+1020円
 エミリー・ブロンテ、鴻巣友季子訳『嵐が丘』(新潮文庫)740円

<参考書>
 教場で随時指示する。

<オフィスアワー>
 新宿校舎2772研究室 月12:20〜12:40
 それ以外は教員に直接たずねること。

<学生へのメッセージ>
 『赤と黒』『嵐が丘』をともかく一日も早く読了(過去に読んだことがある人は再読了)することが必要。おおよその目安として『赤と黒』をゴールデンウィーク明けまでに、『嵐が丘』もできるだけ5月中には読み終えておきたい。いろいろと忙しいとは思うが、通学往復の車中などを利用して、長編小説を読み進めていくための時間を作り、読み始める以上は最後まで読み通す決意を固めてほしい。
 この授業は作品を先に読んでいなければどうにもならないので、文庫本の厚さに臆することなく、この機会に世界文学中の大傑作と呼ばれる長篇小説にどんどんチャレンジしてみようという心意気のある学生に受講してほしいと思う。出席も大事なので、休まないように。

 

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