2009年度工学院大学 第2部機械システムデザイン学科

加工工学(Mechanics of Metal Working)[3F71]

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2単位
西谷 要介 講師  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 エンジニアとして世の中に役立つものや新しいものを設計してもらいたい。しかし、設計するにあたり一番制約を受けるのは加工であるが、加工をよく知らないために良い設計ができないことが見受けられる。良い設計をするためには、加工に関する原理原則を習得することはもちろんのこと、どのように部品の形が作られ、なぜその加工法を採用するのか、どの程度のレベルまで加工できるか、といった観点で加工を学ぶことが重要である。本授業では、そのような観点から、加工の基礎となる除去加工(切削加工・研削加工など)を中心に学んでいく。更に量産加工の一例として、高分子材料(プラスチック・ゴム)を用いた製品がどのように成形加工されているのかを学ぶ。以下に具体的な目標を示す。
(1)加工の役割を理解する。
(2)除去加工の基本を理解し、除去加工の原理原則を説明できる。
(3)設計する際に加工で注意しなければならないことを習得できる。
(4)最適な加工法の選択が可能になる。
(5)高分子材料の成形加工法の基礎を習得できる。

<授業計画及び準備学習>
第1週 ガイダンスおよび加工の概要
 科目内容・講義方法・履修目的・評価方法等に関するガイダンス
 加工の基本的な種類
第2週 加工の原理(1)
 切削加工の特徴、切削加工の構成要素
第3週 加工の原理(2)
 切削のメカニズム、切削加工で発生する諸現象
第4週 旋削加工
 旋盤(構造・方法・工具・注意点・考慮点・加工例)を中心に
第5週 フライス加工
 フライス盤(構造・方法・工具・注意点・考慮点・加工例)を中心に
第6週 穴あけ加工
 ボール盤(構造・方法・工具・注意点・考慮点)を中心に
第7週 研削加工(1)
 研削加工のメカニズム
第8週 研削加工(2)
 円筒研削、内面研削、平面研削、研削砥石、仕上げ加工
第9週 測定・検査
 寸法測定(形状、表面粗さ等)、硬度、欠陥検査
第10週 特殊加工
 放電加工、レーザー加工、ラッピング、ポリッシング
第11週 デジタルエンジニアリング
 3DCADなどの電子データを中心とした最新の加工法について学習する
第12週 量産加工(1)
 高分子材料(プラスチック・ゴム)の成形加工法
第13週 量産加工(2)
 高分子材料の射出成形と金型
第14週 最新トピックス紹介とまとめ
 加工に関する最新トピックスを紹介するとともに
 設計者の観点でこれまで学習した加工に関して整理する
第15週 定期試験

<成績評価方法及び水準>
 成績評価は小レポート50%および定期試験50%の比重で配点を行い、総合評点が60点以上のものを合格とする。総合評点が50点〜59点の場合は、別途レポートの提出を認め、レポート内容が一定基準以上と判断される場合は最終成績を60点とする。

<教科書>
 「設計者に必要な加工の基礎知識」実際の設計研究会監、稲城正高・米山猛著(日刊工業新聞社)

<参考書>
 必要に応じて授業中に印刷物も配布します。
 特に購入の必要はないが、更に勉強したい者は下記の文献を参考にして下さい。
 「精密機械加工の原理」安永・高木著(工業調査会)
 「先端成形加工技術」プラスチック成形加工学会編(シグマ出版)

<オフィスアワー>
水曜日:新宿校舎1666室 19:30〜20:00
上記以外でもメールで連絡の上、アポイントをとってもらえば対応可能です。
at13152@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
 ものを設計するにあたり、一番制約をうける加工に関して本授業で理解・習得し、ものづくりに役立てて下さい。授業を受ける際には、必ず教科書を購入・持参し、予習・復習を心がけて下さい。授業は通常の講義形式の他に、毎回の授業で学んだ内容の理解度および達成度をみるものとして、小レポートを併用します。この小レポートとは、授業トピックスに関して、毎回授業の最後に書いてもらうレポートのことであり、当日の授業内でのみ提出可能なものです。ただし、一定レベルに達していない小レポートに関しては再提出してもらう場合もあるので、良いレポートを書くように心がけて下さい。なお、良いレポートとは、自分の言葉で独自の考え方が表れているものです。感想や質問、単語の羅列とは異なります。
 わからないこと、質問があれば、遠慮なく声をかけてください。一緒に考えて、加工に関する理解を深めていきましょう。

 

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