2009年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

流体機械I(Fluid Machine I)[6A06]

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2単位
田沼 唯士 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
機械工学の応用分野である流体機械について、基本的な作動原理、構造、性能特性及び基礎的な設計法を理解する。更に、流体機械の設計に必要な流体工学の応用力を高めるために、簡単な設計演習を行う。流体機械の具体例として、水車、ポンプ、蒸気タービンの基礎的な作動原理、構造、性能特性を理解する。
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」:(C)◎、(F)○
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に力学・工業力学関連科目により速度と加速度、質点に働く力と運動法則、仕事とエネルギー、運動量と力積に関する項目を習得しておくことが望ましい。更に、流れ学及び流体力学関連科目によりベルヌーイの式を習得しておくことが望ましい。本科目の習得後は設計及び製図演習関連科目において、学習した知識を用いてより実際に近い設計演習に進むことができる。

<授業計画及び準備学習>
1.序論(ガイダンス)
 機械工学の応用分野としての本講義「流体機械」の目的と概要を説明する。更に、具体的な
 イメージを持って頂くために、蒸気タービンを例に設計の実例を紹介する。

2.流体機械の流れの基礎方程式1
 流体機械の設計に必要な基礎方程式である、連続の式、状態方程式などを理解し、
 応用に使用できるように演習を行う。

3.流体機械の流れの基礎方程式2
 流体機械の設計に必要な基礎方程式である、運動量方程式を理解し、応用に使用できる
 ように演習を行う。

4.流体機械の流れの基礎方程式3
 流体機械の設計に必要な基礎方程式である、エネルギー保存方程式およびベルヌーイの式
 を理解し、応用に使用できるように演習を行う。

5.流体機械の基本原理1
 ターボ機械における羽根車(動翼)と流体の相互作用を説明するオイラーの式を理解し、
 応用に使用できるように演習を行う。
 
6.流体機械の基本原理2
 ターボ機械の動翼と静翼の作動原理の基本である2次元翼理論を理解する。

7.エネルギー変換効率と損失
 1)ターボ機械の設計の指標であるエネルギー変換効率の定義を説明する。
 2)効率を低下させる損失の中で、流体摩擦に起因する損失のメカニズムを理解する。

8.効率を低下させる損失の中で、流れの剥離や渦の発生に起因する損失のメカニズムを理解する。


9.相似則
  各種運転条件における性能の予測や使用条件の異なる設計をする場合に有効な相似則
  遠心ポンプを例として理解する。

10.水車1
  水力発電システムの仕組みを理解し、衝動型ターボ機械の代表例としてペルトン水車の作動原理、
  性能、構造および基礎的な設計法などについて理解し、設計に関する簡単な演習を行う。

11.水車2
  反動型ターボ機械の代表例としてフランシス水車の作動原理、性能、構造および基礎的な設計法
  などについて理解し、設計に関する簡単な演習を行う。

12.ポンプ1
  代表的な流体機械であるポンプの作動原理、性能、構造及び基礎的な設計法などについて
  遠心ポンプを例として理解する。

13.ポンプ2
  代表的な流体機械であるポンプの作動原理、性能、構造及び基礎的な設計法などについて
  遠心ポンプを例として、設計に関する簡単な演習を行う。

14.蒸気タービン
  蒸気タービンの作動原理、構造、性能及び基礎的な設計法について理解する。
  (蒸気タービン製造工場の見学にて代替する場合がある)

15.学習成果の確認(後期試験)

<成績評価方法及び水準>
講義中に重要な項目については演習問題を課す。定期試験も実施する。成績評価は演習30%、定期試験70%とし、60点以上の者に単位を認める。
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)、(F)の「流体機械」に関する範囲は上記の評価基準を満たせば達成される。

<教科書>
高橋徹 著、「流体のエネルギーと流体機械」、理工学社 (1998年)

<参考書>
ターボ機械協会編 「ターボ機械」 日本工業出版(1988年)
ターボ機械協会編 「蒸気タービン」 日本工業出版(1990年)
村上光清,部谷尚道 著 「流体機械(第三版)」 森北出版(1995年)

<オフィスアワー>
講義終了後の30分

<学生へのメッセージ>
皆さんが専攻している機械工学がどのように実社会に貢献しているかを、本講義を通じて理解して頂きたい。

<備考>
講義において、適宜、演習を行います。電卓が必要なので持参して下さい。

 

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