2009年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

流体力学II(Fluid Mechanics II)[3465]

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2単位
佐藤 光太郎 教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
航空機,船舶から気象予測や野球ボールの運動まで流体力学が取り扱う分野は多岐多様である.また,一見,流体とは全く無関係に見える工業製品であってもその生産工程では流体力学の恩恵を受けている場合も多い.ここでは機械工学の立場から重要であると思われる内容を中心に,できる限り具体例を紹介しながら授業を展開する.また物理,工業力学等で学習した質点の力学と流体の力学との関係,考え方の同異について考察するよう履修期間中常に求めていく.以下に具体的な達成目標を示す.(1) ナビエーストークスの運動方程式の物理的意味を理解すること.(2)保存則の意味を理解し,使用できること.(3)機械工学で重要とされる基本的な流体諸現象についての概略を理解し,詳細については専門書を参考にしながら考察できること.
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)の(1):◎

<授業計画及び準備学習>
1.[運動量保存則]運動量方程式の応用例を紹介する.
2.[流関数と速度ポテンシャル]流関数と速度ポテンシャルの定義について学ぶ.
3.[ポテンシャル流れ1]複素関数で表わされる基本的流れ(一様流,角を回る流れ)について学ぶ.4.[ポテンシャル流れ2]複素関数で表わされる基本的流れ(渦糸,湧出し,二重湧出し)について学ぶ.
5.[物体周りの流れと流体力]円柱,翼周りの流れについて学ぶ.このとき物体にかかる流体力の計算方法について解説する.また,カルマン渦とストローハル数,についても触れる.
6.[自由表面をもつ流れ]微小振幅波について学ぶ.また,スロッシングと事故例についても紹介する.
7.[粘性流体の基礎方程式]ナビエーストークスの方程式について学ぶ.
8.[レイノルズ数およびレイノルズの相似則]レイノルズ数およびレイノルズの相似則について学ぶ.
9.[ナビエーストークス方程式の厳密解]代表的な粘性流れの例(クエット流れ,ハーゲン−ポアズユ流れ)について学ぶ.
10.[低いレイノルズ数域の流れ]ストークス近似・オセーン近似について学ぶ.
11.[境界層方程式]境界層の概念と境界層方程式について学ぶ.
12.[乱流]乱流とは何かを考え,乱流の観察例を紹介する.
13.[数値流体力学]代表的な数値解析法を紹介する.

<成績評価方法及び水準>
原則として定期試験で最終成績を評価,60点以上の者に単位を認める.ただし,試験の点数が僅かに60点に届かない場合でも例えば授業内での演習問題・宿題の平均得点が高いなど,普段の学習状況から総合的に判断し,一定基準以上の者にはレポート提出を認め,レポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点以上とする.
「国際工学プログラム」の学習・教育目標(C)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

<教科書>
「流体の力学」中山泰喜著(養賢堂)

<参考書>
「流体力学」日野幹雄著(朝倉書店)
「Fluid Flow」R.H. Sabersky A.J. Acosta E.G. Hauptmann and E.M. Gates(Prentice Hall)

<オフィスアワー>
金曜日 12:30〜13:10.11号館3階.それ以外でもメールで約束の上,対応可.E-mail : at12164@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
1年次に学習した数学,物理,工業力学の復習を期待する.流体力学の理解が困難な場合には,もう一度,質点の力学の勉強に立ち返ること.

 

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