2009年度工学院大学 第1部建築都市デザイン学科

経済学入門(Introduction to Economics)[4D09]

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2単位
石井 穣 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
資本主義とは、いかなる社会なのだろうか。この数年、社会的軋轢を予感させるニュースに接するにつれ、その思いを強くする。とはいえ、資本主義はその成立期から今日にいたるまで、さまざまな対立的関係を内包してきた。現代においてもなお、資本主義について考察してきた各時代の経済学者たちから多くのことを学ぶことができる。この講義では、古典に名を連ねる経済学者たちは、資本主義における社会的・経済的諸関係についてどのような認識を示し、またどのような社会を構想していたのか、見てゆくことにしたい。

<授業計画及び準備学習>
1. ガイダンス
2. 重商主義学説(本源的蓄積期の経済学)
3. アダム・スミス(勤労階級と大商人・大製造業者)
4. リカード(地主階級と資本家・労働者階級)
5. マルサス(農業および不生産的階級)
6. マルクス(剰余価値の生産と再分配に関連した諸関係)
7. J.S.ミル(利潤の正当化、生産と分配との分離)
8. ワルラス(機能的分配論と企業家)
9. シュンペーター(革新的企業家と銀行)
10. ヴェブレン(ビジネスとインダストリ)
11. ケインズ(投資家階級と生産者連合)
12. 経営者支配説と株主主権説(コーポレートガバナンス)

<成績評価方法及び水準>
期末試験を実施し、60点以上の者に単位を認める。言うまでもないが、期末試験は毎回授業に出席していることを前提に行われる。節目ごとに小テストを実施し、その結果が最終評価に加点される。

<教科書>
特に指定しない。

<参考書>
授業中に適宜紹介する。

<オフィスアワー>
講義終了後の教室、もしくは講師控え室にて。

<学生へのメッセージ>
資本主義における社会関係というとき、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。利己心に基づいて行動する諸個人の関係だろうか。もしくは、資本家と賃金労働者との対立的関係であろうか。これまで多くの経済学者たちが、資本主義という社会について、じつに多様な側面から考察してきた。われわれが生きるこの経済社会を、さまざまな角度から眺める視点を養いたい、と考えている学生にはぜひ受講してもらいたい。

 

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