2009年度工学院大学 第1部建築都市デザイン学科
都市住宅地計画(Planning for Urban Housing Area)[4B22]
2単位 野澤 康 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 都市空間はその大半が住宅市街地で占められている。わが国の総人口のかなりの部分は都市に住んでいる事からもわかるように、都市は重要な人間生活の場、そして居住のための空間である。すなわち、そのために都市は、まず快適な生活ができる空間として整備されるべきである。この講義では、そうした視点で、住宅市街地の計画・設計のあり方から需給や政策に至るまで、幅広い観点から都市住宅地を取り扱っていく。
具体的には、(1)都市住宅地の基本的な設計手法の理解、(2)都市住宅地が直面する問題点の把握、(3)住宅政策や住宅の需給関係などの理解、を具体的な達成目標とする。
- <授業計画及び準備学習>
- 下記のような内容について、適宜、事例を通して学んでいく。
1.様々な都市住宅・住宅地の事例研究(2回) 事例を通し、この講義から学び取るべき事項を整理 2.今日の都市問題の整理(2回) (1)密集市街地 :密集市街地整備、木賃アパート、ワンルームマンション、再開発 (2)ニュータウン :高齢化、空洞化、更新 (3)都心居住 :オフィスの用途転換、公共施設不足、超高層居住 (4)マンション居住:更新、維持・管理 3.都市住宅地の形成史(2回) 郊外化、スプロール、同潤会、ニュータウン、都心居住 4.人口の変化と都市住宅の需要・供給(3回) (1)大都市圏の住宅地と人口:人口の高齢化、通勤行動、住宅地の分布、住宅地の性格 (2)都市住宅の需要と供給 :人口の都市集中、住宅事情の変化、住宅と世帯、住み替え実態 5.住宅政策(3回) (1)国・自治体の住宅政策 :住宅建設五カ年計画、住宅マスタープラン、住生活基本計画 (2)住宅政策の基礎となる居住環境性能の考え方 (3)住宅の供給方式 :公団・公社、借地・借家、定期借地・定期借家 6.都市住宅地の設計手法(2回) 住戸・住棟の設計、街区の構成・住区の考え方 7.達成度の確認(1回)
- <成績評価方法及び水準>
- 講義中に出題する宿題・レポート・小テスト等(40点分)、期末試験(60点分)によって成績を評価する。両者の合計が60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 特に指定しない。講義の中で、参考書等を随時紹介し、また必要な資料を配布する。
ただし、下記参考書の(1)(2)は、比較的よく使うものであるので、できれば持っていてほしい。
- <参考書>
- (1)「現代集合住宅のデザイン」日本建築学会編著(彰国社)
(2)「データで読みとく都市居住の未来」都市住宅学会編(学芸出版社) (3)「新しい都市居住の空間」渡邉定夫他編著(放送大学教育振興会) (4)「ハウジング・デザイン 理論と実践」I.コフーン・P.フォーセット共著(鹿島出版会) その他、必要に応じて講義中に紹介していく。
- <オフィスアワー>
- 講義終了後、講義室または26階研究室(2674室)にて対応する。それ以外でも事前連絡により対応する。
E-mail;nozawa@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 都市に住むという価値観や人間の感覚は、時代とともに多様化してきている。様々な要求を理解するには、これまでの流れや基本的な知識を身につける必要があるので、そうした意味でもこの講義をぜひ聴いてほしい。
講義の中では事例紹介をできるだけしたいと考えているが、時間の関係もあり限界がある。自ら事例などを学ぶ(情報を集める)姿勢を持ってほしい。
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