2009年度工学院大学 第1部情報通信工学科
電子デバイス工学I(Electron Devices I)[2458]
2単位 長谷川 文夫 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 情報通信では信号の変調、増幅、伝達、検出が必要である。これらの用途には必ずダイオードやトランジスタなどの能動素子が必要である。
この授業のねらいは、情報通信の学生にも、トランジスタ(MOSFETもトランジスタの一種)によって、どうして信号の増幅が出来るのか、トランジスタはシリコンで出来ているが、トランジスタがどうしてそのような動作をするのかを理解して貰うことである。 達成目標 (1)信号の増幅とはどのようにして行われるか。 (2)トランジスタでどうして増幅が出来るのか。 (3)トランジスタが動作するには、n 型、p 型半導体が必要だが、 これらはどのようにして作ることが出来るのか。 を理解すること。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 信号の変調、増幅、検波
アナログとディジタル、利点と難しさ。 第2週 トランジスタによる増幅の動作 電流‐電圧特性、電流増幅、電圧増幅、 トランジスタのダムによるモデル 第3週 電子と結晶 固体の電気伝導度、周期表と元素の周りの電子 第4週 エネルギー帯と自由電子 半導体・金属・絶縁物のエネルギー帯。 第5週 半導体のキャリア 真性半導体、n-型半導体、p-型半導体。 第6週 キャリア密度とフェルミ準位 多数キャリアと少数キャリア、 外因性半導体のフェルミ準位。 第7週 半導体の電気伝導 ドリフト電流、拡散電流。 第8週 PN 接合とダイオード pn接合、金属・半導体接触、空乏層と空間電荷、 ポアソンの方程式。 第9週 ダイオードの接合容量と電流-電圧特性 接合容量、小数キャリアの分布、拡散方程式。 第10週 中間試験と授業 授業;ダイオードの電流-電圧特性。 第11週 バイポーラ・トランジスタ-I 動作原理、電流増幅率、各端子の電流成分。 第12週 バイポーラ・トランジスタ-II 接地形式と利得、少信号特性、しゃ断周波数。 第13週 MOSFET(電界効果トランジスタ)- I MOSダイオード、蓄積、空乏、反転 第14週 MOSFET - II MOSFETの構造と動作原理、エンハンスメント型、 ディプレッション型、相互コンダクタンス。 第15週 期末試験
- <成績評価方法及び水準>
- 中間(40%)及び期末テスト(60%)の結果による。教科書、ノートの持ち込みは不可。BとC、CとDの境界については、出席点を考慮する。
- <教科書>
- 「電子デバイス工学」古川、萩田、浅野共著(森北出版2,000円)
- <参考書>
- 「半導体デバイス第2版--基礎理論とプロセス技術--」 S.M.ジー著、南日、川辺、長谷川訳(産業図書;6600円)
- <オフィスアワー>
- 授業前後、講師室で。
- <学生へのメッセージ>
- スライド用図面は主に教科書のものを使うので、教科書を買うこと。説明やOHPが分からなければその場で説明を求め、質問すること。質問がない場合は指名してこちらから質問する。
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