2009年度工学院大学 第1部情報通信工学科
生物学概論(Introduction to Biology)[5508]
2単位 上村 伊佐緒 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 現代生物学の基礎であるDNA遺伝情報の共通性のもとに、主に人間に関係した分野を選んで講義する。特に、「クローン」や「胚性幹細胞」など、最近これまでにないレベルで人間生活に大きな影響を及ぼしている発生生物学の諸問題を中心に、がんや老化など医学的分野も含め、ヒト特有の倫理上の問題にまで言及する。
以下に具体的な達成目標を示す。 (1)細胞の構造ならびに機能について理解すること(2)遺伝情報の発現過程を理解すること(3)有性生殖と胚発生を含む発生生物学について理解すること(4)生命科学の最先端技術を理解し、その倫理上の影響について考察すること(5)生命の起源と進化について理解すること。
(JABEE学習・教育目標) 「国際工学プログラム」 (C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎ JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)の(1):◎
(JABEE学習・教育目標) 「環境化学工学プログラム」:(D)◎ JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c)○
- <授業計画>
- 1.[ガイダンス]講義の方針、生命の定義、生物学の方法
2.[DNA]DNAに遺伝情報が書き込まれている仕組みと遺伝情報の発現過程 3.[生命の起源]自然発生説の否定、RNAワールド、進化の原動力としてのDNA情報のデジタル性 4.[細胞説と共生]生物の基本単位としての細胞の構造と機能、ミトコンドリアなどの共生説 5.[動物の発生1]いろいろな動物の発生過程のビデオを使い、動物の種類による発生過程の多様性について学ぶ 6.[動物の発生2]1で学んだ発生過程の多様さの裏に隠された遺伝子レベルでの共通性を理解する 7. 中間試験の後[哺乳類の発生]胎盤内での発生のしくみや、なぜ三毛猫のオスがいないかなど、哺乳類に特有の発生現象について学ぶ 後半 8.[哺乳類の遺伝]哺乳類に限って見られる遺伝現象の特徴 9.[幹細胞とクローン]幹細胞による臓器再生の可能性とクローン作製における倫理上の問題点 10.[再生]発生現象の理解に役立った再生現象とヒトにおける再生の可能性 11.[再生2]日本人により作成された「万能細胞(iPS細胞)の優れた能力と期待される応用例 12.[がん]がん遺伝子発見の歴史と発がんのしくみ 13.[老化]発生現象の最後の段階としての老化現象と遺伝子レベルでの原因 14. 定期試験
- <成績評価方法及び水準>
- 原則として、中間試験と定期試験の点数を各々40:60の比重で配点し、総合評点が60点以上の者に単位を認める。 ただし、試験の点数が50点から59点の者にはレポート提出を認め、レポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。
- <教科書>
- なし
- <参考書>
- 目で見る生物学 石原勝敏、浅尾哲郎、団まりな、山口征矢 共著 培風館
講義に使うパワーポイントのテキスト部分は、電子教材として閲覧可能
- <オフィスアワー>
- 金曜日5時限の授業終了後に教室で。
- <学生へのメッセージ>
- 生物学についての基礎知識は必要ない。理解を容易にするため図表のプリントを豊富に用意する。疑問点があれば活発にどんどん質問をすること。質問に回答したり学生間で討論を交わしたりすることにより授業を進めることも可能である。復習と勉学に励み現代生物学の基礎知識と流れをしっかりと身につけてほしい。 連絡の必要がある場合は、mespilia@wm.pdx.ne.jpまでメールをください。
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