2009年度工学院大学 第1部情報通信工学科
○物理学I(Physics I)[2212]
2単位 幸村 孝由 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 物理学Iでは、物理学を学ぶにあたり最も基本的な力学についての講義を行う。力学は、物理学の中で最も早く体系化された分野であり、自然現象の中から法則性を見出す物理学(自然科学)の方法が典型的に現れている。講義では、このことに注意しながら、力学で使われる基礎概念や物理量の意味を理解できるようにしたい。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1〜4週 大学で物理を勉強するための数学的準備
第1週 :アンケート。物理学が対象とする自然界のスケール。長さ、時間、質量という基本的な次元。 第2週 :単位、単位系、ならびに次元解析。 第3週 :現象を記述するにふさわしい座標系である慣性系。座標系を決めたとき、質点の速度、加速度がどう書けるか。運動量の意味。微分、ベクトルの意味。 第4週 :微分の復習と積分。運動の法則(慣性の法則、運動方程式、作用反作用の法則)
第5〜7週 ニュ−トンの運動方程式(その1) 第5週 :運動の法則(慣性の法則、運動方程式、作用反作用の法則)、簡単な運動I(落下運動) 第6週 :簡単な運動II(放物運動) 第7週 :簡単な運動III(抵抗力のある運動:雨滴の落下運動)
第8〜9週 ニュートンの運動方程式(その2) 第8週: 複雑な運動I(単振動) 第9週: 複雑な運動II(減衰振動、強制振動、円運動)
第10〜13週 力学の保存量(エネルギー、運動量、角運動量とそれらの保存の法則) 第10週: 仕事とエネルギー(位置エネルギー) 第11週: 運動エネルギー、エネルギー保存 第12週:運動量、運動量保存則、衝突問題 第13週:角運動量、角運動量保存則
第14週:力学の総復習 第15週:定期試験
物理学Iで学ぶ古典力学は、あらゆる自然科学の基礎となる。工学技術のどの局面でも要となる学問であり、シンプルでありながら奥が深い。変数、式の意味はいろいろと使っているうちに理解が深まる。実際に問題を解くことが重要である。
- <成績評価方法及び水準>
- 成績評価=A+R×Bとし,その値が60点以上の者に単位を認める。
A=期末試験の評価点(100点満点),B=小テスト、宿題課題による評価点(25点満点)。Aが35未満はR=1,Aが35以上はR=[(100−A)/65]2。
小テストは1回ないしは2回実施する予定である。 宿題は毎回の講義ではないがプリント(問題)を宿題として課す。
- <教科書>
- 特に指定しない。本屋さんにある力学の教科書を、各自一度読んでみて自分にとってわかりやすいものを選ぶことを薦める。
- <参考書>
- 力学の教科書は数多くのものが出版されているので、各自自分にあったものを探すのも良い。あまり目移りせず、一冊の本を深く理解することをすすめる。以下に、あくまで参考としていくつか教科書をあげておく。
戸田盛和 「力学」 岩波書店 加藤 潔 「理工系 物理学講義」 培風館
- <オフィスアワー>
- 木曜日3,4限目(八王子校舎)
- <学生へのメッセージ>
- 基本から、ゆっくりとしたペースで授業を進める予定です(約束はできないかも)。また、オフィスアワーを利用した授業のことに関する質問は大歓迎です。また、オフィスアワー以外で質問に来る際には、電子メール(メールアドレスは一回目の講義の際に連絡する)で事前に連絡をとること。 また、講義中にも演習を兼ねた例題の解説を行なうことがあるが、演習問題の解説を行なうことが本講義の目的ではない。演習をこなし、より理解を深めたい学生は、木曜日に開講している物理学演習Iを履修することを勧める。
- <備考>
- なお、講義の進行状況によっては、物理学Iの講義期間中にシラバスに記載した内容の講義
を全て終えることができないことがある。その場合は、後期に開講される物理学IIの最初の1,2回分の 講義の際に、物理学Iの内容について講義することがある。
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