2009年度工学院大学 第1部情報通信工学科

企業の理念と行動(Idea and Behavior of Enterprise)[1410]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
道中 真紀 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
私たちの身の回りにはさまざまな企業が提供する財やサービスが溢れています。各々の企業はどのような理念に基づいてその行動を決定するのでしょうか。本講義では、ミクロ経済学の企業理論をベースとし、具体的な事例を用いながら企業の行動について分析することをねらいとします。講義を通して、履修者が身近な現象や制度の仕組みを、経済学的な視点で捉えられるようになることを達成目標とします。

<授業計画及び準備学習>
I 需要と供給
●セブンプレミアムのしょうゆヌードルが日清食品のカップヌードルより安いのはなぜ?
●サッポロ黒ラベルとアサヒスーパードライとキリン一番搾りの値段がほとんど同じなのはなぜ?
●鉄道や航空会社の宣伝はよく見るのに、バスやタクシーの宣伝はあまり見ないわけ
(企業の費用関数、利潤最大化、規模の経済、競争と寡占・独占、広告と価格の需要弾力性)

II 企業の価格戦略と製品戦略
●学割や深夜割増が存在するのはなぜ?  ●プリウスとインサイトの価格競争
●マックがお得なバリューセットを提供するわけ  ●なぜプリングルスにはいろいろな味があるのか?
●ルイ・ヴィトン、グッチ、ユニクロ、Forever21… 高級ブランドとファストファッションはなぜ共存可能?
(差別価格、ベルトラン競争、バンドリング戦略、製品差別化)

III 企業と情報
●ポイントカードは消費者に得をさせているだけではない!
●花王の「植物物語」にせっけん・シャンプー・コンディショナー・ボディソープetc.がそろっているわけ
●ほとんどの人がWindowsを使っているのはなぜ?  ●学歴は企業に何を伝えているのか
(自己選択、ブランド拡張、ネットワーク外部性と互換性、シグナリング)

<成績評価方法及び水準>
成績評価は中間試験(30点満点)と期末試験(70点満点)の合計点で行います。60点以上を合格とします。

<教科書>
特に使用しません。
日経ビジネス(日経BP社)、東洋経済(東洋経済新報社)、日本経済新聞等の記事を教材として使用する予定です。毎回、講義時にプリントを配布します。

<参考書>
淺羽茂 (2004) 『経営戦略の経済学』 日本評論社。
丸山雅洋 (2005) 『経営の経済学』 有斐閣。
吉本佳生 (2007) 『スタバではグランデを買え!―-価格と生活の経済学』 ダイヤモンド社。
他、講義中に随時紹介します。

<オフィスアワー>
質問等は講義終了後に教室で受け付けます。
それ以外の時間を希望する場合は、事前にメールにてアポイントメントをお願いします。

<学生へのメッセージ>
普段、何気なく消費している財やサービスの裏に潜む企業の思惑や努力に目を向けることで、今までとはちょっと違う物の見方ができるようになったり、自分の新たな興味を発見したりできるかもしれません。せっかく履修するからには何かを学び取ってほしいし、こちらもそういう講義を心がけます。楽しく学んでいきましょう。

 

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