2009年度工学院大学 第1部電気システム工学科

芸術と社会II(Art and Its Social Aspects II)[4A06]

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2単位
梅津 紀雄 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 主として映画を素材として、映像表現による歴史表象について考えてみたいと思います。
 映画やテレビ番組は多くの皆さんにとっては娯楽でしかなく、それらをじっくり分析したりする機会もまずないだろうと思います。
 しかしながら、映像表現が与えてくれるさまざまなイメージは無意識に私たちの意識を方向付けており、どんなに客観的であろうと努めたとしても、何らかの形で作り手の「プリズム」を通した表現であることを意識する必要があります。
 この授業では、自分なりに批判的判断を下せるようになることを目標として、20世紀の歴史的事件を描いた劇映画とドキュメンタリー映画を素材として、映像分析を行っていきたいと思います。

<授業計画及び準備学習>
 20世紀の歴史的事件を描いた著名な映像作品を、描かれている出来事の順番で取り上げていきます。
 トピックと取り上げる予定の作品を以下にかかげます。

1. ロシア革命
 エイゼンシテイン《ストライキ》《戦艦ポチョムキン》《10月》
2. 第一次世界大戦
 ルノワール《大いなる幻影》
3. ナチズム
 リーフェンシュタール《意志の勝利》
 ランズマン《ショアー》
4. 第二次世界大戦(太平洋戦争)
 キャプラ《我々はなぜ戦うか》
 原一男《ゆきゆきて、神軍》
5. ベトナム戦争
 ストーン《プラトーン》
6. チェチェン紛争
 バラバーノフ《チェチェン・ウォー》
 ボドロフ《コーカサスの虜》
7. 現代日本
 森達也《A》

 なお、以上はあくまで予定であり、リアルタイムで起こった出来事に対して何らかの応答を行うために、修正を加えることがあります。
 詳しくは初回の授業で提示します。

<成績評価方法及び水準>
 成績は、平常点40%、教場レポート60%の配分で評価します。
 毎回感想や意見をレスポンスカードに書いて提出していただき、それにより平常点をつけます(出席点はありません)。
 教場レポートは試験期間に教室でレポートを書いていただくものです。毎回のレスポンスカードの積み重ねがよいレポートに結実します。

<教科書>
特に使用しません。毎回プリントを配布します。

<参考書>
講義中に指示します。

<オフィスアワー>
授業開始前・終了後、教室または兼任講師室で。

<学生へのメッセージ>
 「政治」というものを、皆さんは自分には関係ないことだと考えているかも知れません。しかし、なんらかの組織があれば、そこには何らかの政治的な関係が生まれます。
 政治家だけがアクター(行為者)であってそれ以外の者は有権者や圧力団体としてしか関われないような狭い意味での政治ではなく、もっと広い意味での「政治」が存在することを身をもって知るときが必ずやってきます。それに備えるためには、文系諸科学、とりわけ社会科学の素養が必要なのです。

 

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