2009年度工学院大学 第1部電気システム工学科

数学I(Mathematics I)[3418]

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2単位
北原 清志 准教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
  微積分は自然現象の観測から生まれた。それは運動の法則を記述する手段として誕生したが,その後,自然科学の様々な分野に応用されて有効性を検証してきた。微積分がなぜ役に立つのか? その答えは簡単ではないが,微積分の考え方の本質に根ざしていることは確かである。
  微分法は関数のグラフを細分化して小さな断片の性質を調べる方法であり,積分法は逆に断片を寄せ集めて全体を再構成する方法である。また関数とは現象を抽象化したものである。例えば運動する物体の速度を時間の関数と考えたり,気温を地上からの高さの関数としたりすることがこれにあたる。
  この細分化・総合化の方法は現象を科学的に調べようとするとき重要な役割を果たす。細分化・総合化の手法を純化し抽象化したものが微積分であり,それらの考え方は微分積分学の中で数学的な形式を獲得し,新たな概念を産み出しつつ体系化された。
  工学部で学ぶ微積分は,基本的概念および基本的な応用について習熟することを目的とするが,個々の具体的な計算を通して考え方の本質を身に付けることが最も重要である。
  数学I は1変数関数の微分積分について学習する。高校で学習済みの部分もあるが,大学での学習は体系的かつ一般的である。扱う対象が曲線であり数式も単純なので,細分化・総合化の手法を直感的に把握することができる。
具体的な達成目標は,(1)1次近似式の意味が直感的に理解できること(2)合成関数の微分法を用いて具体的な関数の微分が円滑にできること(3)テイラー展開の意味が理解でき具体的に計算できること(4)区分求積法の意味が直感的に理解できること(5)置換積分・部分積分を用いて基本的な関数の積分ができること 等である.

<授業計画及び準備学習>
1. べき関数の性質とその微分
2. 合成関数の微分
3. 三角関数と逆三角関数
4. 指数関数と対数関数
5. 逆関数の微分,対数微分法
6. 高次導関数
7. 平均値の定理
8. 不定形の極限値
9. テイラー展開
10. テイラー展開の応用
11. 定積分と不定積分
12. 置換積分
13. 部分積分
14. 定期試験

<成績評価方法及び水準>
定期試験の結果が60点以上を合格とする.定期試験の得点が50点以上の場合は授業中に行う演習の達成度を加味して合格とする事がある.

<教科書>
「微分積分学の基礎」吉田・北原・西村 共著(理学書院)

<参考書>
「実例で学ぶ 微分積分」大原一孝著(学術図書出版社)
理工基礎「微分積分学」増補版 柳原・長谷川 ほか(理学書院)

<オフィスアワー>
木曜日 12:30〜13:30 それ以外でもメールで約束の上,対応可。

<学生へのメッセージ>
高校時代の微積分にとらわれない新鮮な気持ちで接すると,今まで見えていなかった物が見えるようになります。
公式を覚えたり,計算練習をする事は非常に大切ですが,その様な事をするのは微分積分の基礎になっている考え方を理解するためである事を忘れないで下さい。

 

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