2009年度工学院大学 第1部応用化学科

作家とその世界(Works of Literary Giants)[1414]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
永野 宏志 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
この講義は「感性工学 実験/経験編」であり、テーマは<管理社会の俳句ing>である。
メディアは現実を情報によって肥大させ、光の速度にモノの重さを持つ物流が追いつこうとして生じるアクシデントは事件となる。クリックひとつで世界に繋がるのに、この身体はどんなに走っても追い付かず疲労するだけだ。情報に満たされただけの生活では一番身近な身体が悲鳴をあげている。
では逆に、この身体から世界を作れないだろうか。現代が起業の時代というなら、一つの文を作ることもまた、このフラットでクラウドな「現代」に抗して自らの世界という基点を作ることかもしれない。
後期は、自らのポテンシャルを展開するためのいくつかのサンプルを提示し、歩きそして詠む身体感覚と密接な文学である俳句を、講義の最後に書く実践を通して体験し、俳句ジャンル自体もアップデートしていく。もちろん、ここでも起点はこの生きた世界と学生・教員の身の丈である。

<授業計画及び準備学習>
第01回 色彩について(1)・・・・赤について
第02回 色彩について(2)・・・・青について
第03回 色彩について(3)・・・・補色関係について
第04回 色彩について(4)・・・・共感覚について
第05回 モードについて(1)・・・花鳥風月の世界について
第06回 モードについて(2)・・・ファッションについて
第07回 モードについて(3)・・・瞬きについて
第08回 モードについて(4)・・・歩くことについて
第09回 余白について(1)・・・・<身>知らぬ顔について
第10回 余白について(2)・・・・化粧と衣服について
第11回 余白について(3)・・・・環境と建築について
第12回 余白について(4)・・・・音楽とサイレンスについて
第13回 編集について(1)・・・・キャラクターの文化編集について
第14回 編集について(2)・・・・ジャポニズムと印象派絵画の編集について
第15回 教場試験

<成績評価方法及び水準>
毎回講義後半の10〜15分程度その回のテーマに即した俳句をその場で創作して平常点とし(50%)、毎回優秀者を3名選出していく(選出された者は5点加点)。さらに後期末には創作的な試験を実施し(50%)、平常点と併せて総合的に評価する。

<教科書>
テーマが多岐にわたるので毎回プリントを配布する。

<参考書>
G・S・ヤング+W・L・サイモン『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』(東洋経済新報社)、荒川修作+M・ギンズ『三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために』(水声社)、ジョン・ケージ『サイレンス』(水声社)、ロラン・バルト『表徴の帝国』(ちくま学芸文庫)、松岡正剛+編集工学研究所『情報の歴史』(NTT出版)

<オフィスアワー>
講義後10分程度。

<学生へのメッセージ>
講義は映像教材を多用するので、照明が暗い場合が多くノートしにくい。それゆえ、文字のみのノートは禁止し、落書きやいたずら書きを奨励し、その出来栄えも含めて評価対象としたい。

<備考>
私語・居眠りをした者は単位を認めないので、お昼休みによくしゃべり、よく寝てしっかり目覚めてから受講していただきたい。

 

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