2009年度工学院大学 第1部マテリアル科学科

マテリアル物性構造論II(Materials Science II)[4A12]

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2単位
矢ケ崎 隆義 教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
気体・液体・固体材料の諸特性は、地球の環境・資源・エネルギー等の問題に深い関わりをもっている。このことを念頭に置き、授業では主として環境保全やエネルギー関連装置等に適用される固体材料の各種挙動を理解するために、マテリアル科学の観点から諸特性と微細構造の関連を拡散挙動を通して考える。また、固体材料の本質を深く理解することを通し、環境への負荷軽減を目的とした各種廃棄物の処理についてもマテリアル科学の側面から言及する。以下に具体的な達成目標を示す。(1)固体材料の有する一般的な諸性質を理解出来ること。(2)固体材料の微細組織を理解出来ること。(3)固体材料の物性と内部構造との関係を理解出来ること。(4)(1)〜(3)の知識を、材料の選択・評価等に適用出来ること。(5)実機環境における固体材料の劣化挙動を理解し、対応出来ること。(6)固体材料の廃棄物処理をマテリアル物性科学の側面から提案出来ること。

<授業計画及び準備学習>
第1週 『ガイダンス』環境保全及びエネルギー関連装置と材料物性との関わり等について学ぶ。                                           演習問題1.
第2週 固体内の不完全性について学ぶ。                     演習問題2.
第3週 拡散挙動(拡散機構、定常状態拡散)について学ぶ。            演習問題3. 
第4週 拡散挙動(非定常状態拡散の基礎)について学ぶ。             演習問題4.
第5週 拡散挙動(拡散に及ぼす因子、他の拡散経路)について学ぶ。        演習問題5.
第6週 合金の状態(固溶限、相、組織、相平衡)について学ぶ。          演習問題6.
第7週 平衡状態図(全率固溶型状態図、二元系共晶型状態図)について学ぶ。    演習問題7.
第8週 平衡状態図(中間相、中間化合物が存在する平衡状態図)について学ぶ。   演習問題8.
第9週 平衡状態図(三元系状態図、ギブスの相律)について学ぶ。         演習問題9.
第10週 平衡状態図(鉄−炭素系状態図、組織の形成過程、合金元素の影響)について学ぶ。                                            演習問題10.
第11週 金属の相変態(基本概念、固相変態の速度論、多相合金の変態)について学ぶ。                                              演習問題11.
第12週 材料選択と設計の指針について学ぶ。                  演習問題12.
第13週 材料科学・工学における経済的、環境および社会的問題について学ぶ。   演習問題13.
第14週 定期試験

<成績評価方法及び水準>
定期試験及び各週に実施する演習問題(理解度テスト)を主たる評価の対象として評価する。尚、評価割合は前者を80%、後者を20%とし、60点以上の者に単位を認める。僅かに60点を下回る者については レポートの提出を認め、不足分を補うと判断した場合には最終得点を60点として単位を認める。

<教科書>
『材料の科学と工学〔1〕材料の微細構造』W.D.キャリスター著(培風館)、『材料の科学と工学〔4〕材料の構造・製法・設計』W.D.キャリスター著(培風館)

<参考書>
『材料の物性』兵藤申一・神谷武志共著(朝倉書店)
『材料の科学と工学』北条英光著(裳華房)

<オフィスアワー>
木、金曜日10:40〜18:00で授業のない時間であれば、新宿キャンパス1974室にて質疑等可能。それ以外でもメールにて約束の上、対応する事も可能。事前にE-Mail:yagasaki@cc.kogakuin.ac.jpにて連絡されたし。

<学生へのメッセージ>
授業では、種々の固体材料(金属、有機物質、セラミックス、複合材料など)の差を協調するのではなく、材料の性質の一般的な輪郭とそれらの性質を左右する機構を示すよに心がける。授業の終わりに、翌週の授業の向けた予習項目を予告する。マテリアル科学の有用性と奥深さとを実感してほしい。

<備考>
時間の許す限り、材料に関わるタイムリーな話題を取り上げ、解説を試みる。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1021/

 

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