2009年度工学院大学 第1部マテリアル科学科

マテリアル熱力学(Materials Thermodynamics)[3B12]

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2単位
矢ケ崎 隆義 教授  
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最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
環境保全やエネルギー関連装置等を構成するのに必要とされるマテリアルの性質を理解しようとするとき、熱力学はその基礎とする仮定が単純であることから有力な手段となる。本授業では、固体物質の基礎的な性質を理解するために、基礎的な固体熱力学の概念を示すと共に、熱力学の諸量に原子論的な像を与えながら解説することに重点をおく。以下に具体的な達成目標を示す。(1)固体物質に関わる熱力学の基本法則を理解し説明出来ること。(2)多成分系の平衡を理解することを通して、簡単な平衡状態図を描けること。(3)平衡状態図の読み方を習得し、利用出来ること。(4)固体の組織制御に関わる熱力学的知識を得て説明出来ること。(5)新しい相の成長について予測説明が出来ること。

<授業計画及び準備学習>
第1週 『ガイダンス』熱力学の基本法則について学ぶ。 演習問題1.
第2週 固体物質の熱的性質と物理的性質とについて学ぶ。 演習問題2.
第3週 相平衡:一成分系相平衡について学ぶ。 演習問題3.
第4週 相平衡:多成分系相平衡・不変反応について学ぶ。 演習問題4.
第5週 相変態:理想的な相変態について学ぶ。 演習問題5・
第6週 相変態:非平衡相変態について学ぶ。 演習問題6.
第7週 相変化:均質核生成・不均質核生成について学ぶ。 演習問題7.
第8週 相変化:新しい相の成長と相変化の運動学について学ぶ。 演習問題8.
第9週 組織変化:組織変化:凝固・再結晶について学ぶ。 演習問題9.
第10週 組織変化:固体の熱処理(状態図)を総合的に学ぶ。 演習問題10.
第11週 拡散:体積拡散・表面拡散について学ぶ。 演習問題11.
第12週 拡散:体積拡散の原子論的機構について学ぶ。 演習問題12.
第13週 拡散と欠陥について学ぶ。 演習問題13.
第14週 定期試験

<成績評価方法及び水準>
毎週実施する確認テスト及び定期試験とで成績を評価する。その際、前者を20%、後者を80%として100点満点とし、60点以上の者に単位を認める。僅かに60点に満たない者に対してレポートの提出を認め、不足する点数を補う内容と判断した場合には最終評価点を60点とし単位を認める。

<教科書>
『材料の科学と工学〔1〕材料の微細構造、〔2〕金属材料の力学的性質』W.D.キャリスター著(培風館)尚、必要に応じてプリントを配布する。

<参考書>
授業の進展にあわせ、本学図書館に所蔵されている図書を中心にその都度紹介する。

<オフィスアワー>
木、金曜日10:40〜18:00で授業のない時間であれば、新宿キャンパス1974室にて質疑等可能。それ以外でもメールにて約束の上、対応する事も可能。事前にE-Mail:yagasaki@cc.kogakuin.ac.jpにて連絡されたし。

<学生へのメッセージ>
物理化学系科目で既に教授された熱力学の基本法則の復習をしてから授業に臨まれる事を期待している。是非、皆さんと使える熱力学を学びたい。

<備考>
環境保全、省資源、省エネルギー、ものつくり等に関心のある学生諸君の聴講を歓迎する。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1021/

 

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