材料の力学（Materials and Mechanics）[2A06]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

材料の力学は”もの”（工業製品や装置など）の強さを知るための学問で、化学装置などのハードの設計、開発には不可欠です．材料が荷重を受けた場合の力学的応答を把握する基本的な手法を理解し、機器の強度設計のための基礎知識を修得することを目的としています．主として、強度設計、評価に必要な応力、変形などの力学量を求める方法を学びます．これは材料がおかれる力学的環境の理解にも役立ち、材料の製造・開発に携わる人にも有用です．具体的な達成目標を以下に示します．
１．材料の強度が基本的な物性の一つとして重要であることを学ぶ．
２．材料が負荷を受けた場合に生じる力学的応答の考え方の基礎を理解する．（具体的な物理量
　　間の関係として、力と応力、ひずみと変形、応力とひずみの関係を理解する．）
３．上記２に加えて、力の釣合い、変形の連続の条件を用いることにより、棒やはりなどの単純形状の
　　部材を対象に、強度評価に必要な応力、ひずみ、変形等などの力学量を算出できるようにする．

(前提となる基礎知識と習得後の展開)
本科目を履修する前に、「数学I・II」などにより微分積分、微分方程式を、また「物理学I・II」などで、力やモーメントの釣り合いを習得しておく必要がある．本科目で習得した知識を元に．弾性論、塑性力学などのさらに高度な領域及び有限要素法などのシミュレーションツールの使用法を学ぶことにより、ハードの強度設計に参画できる．

＜授業計画及び準備学習＞

第１週 ガイダンスと材料の力学の概要
第２週 力学の基礎・力のつりあい
第３週 垂直応力と垂直ひずみ、せん断応力とせん断ひずみ
第４週 棒の応力と変形
第５週 材料の機械的特性
第６週 静定構造・不静定構造と重ね合わせ法
第７週 熱応力・残留応力
第８週 組み合わせ応力・弾性係数間の関係
第９週 はりのせん断力と曲げモーメント
第10週 図心と断面二次モーメント
第11週 はりの曲げ応力とせん断応力
第12週 静定はりのたわみ
第13週 軸のねじり
第14週 演習課題要点の解説
第15週 学習成果の確認(試験）

＜成績評価方法及び水準＞

毎週の演習の得点と定期試験の得点で評価する。割合は前者30％、後者70％とし、合格点は60点以上とする。50点〜59点の者は演習問題の再提出を認め、全問正解で合格（60点）とする．また、40点〜49点の者で特別かつ合理的な事情がある場合は別途さらに課題を課し、全問正解で合格（60点）とする．
但し、最終講義終了時点で演習の正答率が75％に満たない者は履修放棄とみなして成績評価を行わない．

＜教科書＞

グローバル機械工学シリーズ(2)材料力学、坂田勝　ほか　著、朝倉書店

＜参考書＞

材料力学、黒木剛司郎　著、森北出版
材料の科学と工学[２]金属材料の力学的性質、W.D.キャリスター著、入戸野　修　監訳、培風館

＜オフィスアワー＞

新宿校舎：毎週火曜日 10:30〜11:30、12F講師室

＜学生へのメッセージ＞

”材料の力学”は、材料そのものの製造・開発を含めて、ハードに関わるすべての技術者に有用な学問です．社会における活動の場を広げるためにも、是非とも、材料の力学的応答に対する知識ならびに感覚を身につけて欲しいと思います。

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。 Copyright(c)2009 Kogakuin University. All Rights Reserved.