2009年度工学院大学 第1部環境化学工学科

材料の力学(Materials and Mechanics)[5C07]

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2単位
初田 俊雄 非常勤講師

最終更新日 : 2011/02/16

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
材料の力学は”もの”(工業製品や装置など)の強さを知るための学問で、化学機械などのハードの設計、開発には不可欠です.材料が荷重を受けた場合の力学的応答を把握する基本的な手法を理解し、機器の強度設計のための基礎知識を修得することを目的としています.主として、強度設計、評価に必要な応力、変形などの力学量を求める方法を学びます.具体的な達成目標を以下に示します.
1.強度設計における材料の力学の位置づけを理解する.
2.材料が負荷を受けた場合に生じる力学的応答の考え方の基礎を理解する.(具体的な物理量
  間の関係として、力と応力、ひずみと変形、応力とひずみの関係を理解する.)
3.上記2に加えて、力のつりあい、変形の連続の条件を用いることにより、棒やはりなどの単純形状
  の部材を対象に、強度評価に必要な応力、ひずみ、変形等などの力学量を算出できるようにす
  る.

(前提となる基礎知識と習得後の展開)
本科目を履修する前に、「数学I・II」などにより微分積分、微分方程式を、また「物理学I・II」などで、力やモーメントの釣り合いを習得しておく必要がある.本科目で習得した知識を元に.弾性論、塑性力学などのさらに高度な領域及び有限要素法などのシミュレーションツールの使用法を学ぶことにより、ハードの強度設計に参画できる.

<授業計画及び準備学習>
第1週 ガイダンス、材料の力学とは、応力とひずみ
第2週 材料の力学的特性と破壊:フックの法則と弾性定数、許容応力と安全率
第3週 棒の引張りと圧縮1:簡単な静定問題、体積力による応力と変形等
第4週 棒の引張りと圧縮2:不静定問題、組み合わせ棒、締結体
第5週 化学装置などに生ずる力学的な問題:熱応力、残留応力
第6週 棒のせん断とねじり:ねじり荷重を受ける軸のせん断応力、非円形断面の棒のねじり
第7週 はりのせん断力と曲げモーメント1:用語の定義、せん断力と曲げモーメントの計算法
第8週 はりのせん断力と曲げモーメント2:分布荷重下におけるせん断力と曲げモーメント、面積
     モーメント法
第9週 はりの曲げ応力:Bernoulli-Eulerの仮定とはりの曲げ応力計算式
第10週 断面二次モーメント:中立軸位置と断面二次モーメントの計算法
第11週 真直はりの変形:たわみの基本式、静定はりのたわみ
第12週 はりの不静定問題と重ね合わせの方法
第13週 ひずみのエネルギー
第14週 演習問題要点の解説
第15週 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
毎週の演習の得点と定期試験の得点で評価する。割合は前者30%、後者70%とし、合格点は60点以上とする。50点〜59点の者は演習問題の再提出を認め、全問正解で合格(60点)とする.また、40点〜49点の者で特別かつ合理的な事情がある場合は別途さらに課題を課し、全問正解で合格(60点)とする.
但し、最終講義終了時点で演習の正答率が75%に満たない者は履修放棄とみなして成績評価を行わない.

<教科書>
材料力学、黒木剛司郎 著、森北出版
講義内容のプリントを配布する.

<参考書>
・グローバル機械工学シリーズ(2)材料力学、坂田勝 ほか 著、朝倉書店
・材料科学2-材料の強度特性-、Craig R.Barrett、William D.Nix、Alan S.Tetelman 共著、岡村、
 井形、堂山 共訳、培風館

<オフィスアワー>
授業終了後30分、講師室にて

<学生へのメッセージ>
材料の力学は環境・エネルギー問題を解決するための装置をはじめ、幅広い機器の設計に不可欠です.材料の力学的応答に対する知識と構造の健全性に対する感覚を是非とも身につけて欲しいと思います.

 

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