化学工業概論（Introduction to Chemical Industry）[1C08]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

化学工業がこれまでの人類の生存に深く関わってきた経緯を歴史的に振り返りながら、化学物質が生活に役立つものである反面、量や使い方で人々の健康を害するものにもなるという両面性を理解し、これからの化学工業が向かうべき方向性について学生諸君と共に考えていきたい。

＜授業計画及び準備学習＞

１．ガイダンス、化学工業の位置付け、役割、特徴、重要性
２．社会背景の変化、人口問題、衣食住の確保と化学工業の役割
３．技術史的にみた化学工業の変遷（ヨーロッパにおける産業革命が化学工業発展の契機となった）
４．無機化学工業（硫酸工業、ソーダ工業）
５．無機化学工業（アンモニア合成、硝酸製造）
６．石油化学工業（石油精製、石油化学はアメリカからスタート）
７．石油化学工業（石炭から石油への原料転換、エチレン、プロピレンの製造とその誘導品）
８．高分子化学工業（PE,PP,PS,PVC樹脂の製造）、天然品から合成品への転換
９．バイオテクノロジー（発酵工業からスタートして、今や細胞融合、遺伝子操作まで）
10. セラミックス工業（窯業から発展して今や最先端技術、高温利用技術）
11．エネルギー問題と化学工業（クリーンエネルギー製造、GTL,DME,H2)
12．環境問題と化学工業（大気汚染防止や水質・土壌の浄化、廃棄物処理、化学物質リスク管理）
13．化学工業を取り巻く課題と展望（2030年に向けた化学産業のチャレンジ）
14．学習成果の確認

＜成績評価方法及び水準＞

5回目と10回目の授業の際に、ミニレポートテーマを出題する。これをそれぞれ25点満点で採点する。最後の授業の際に、本授業を聞いた理解力を問うレポートテーマを出題する。こちらは50点満点で採点する。都合3回のレポートの採点結果を集計して、60点以上を合格とする。

＜教科書＞

特に教科書は使わない。毎回、授業の度にその日のテーマに即したプリントを配布して、それに基づき授業を行う。

＜参考書＞

最初の授業の際に紹介する。

＜オフィスアワー＞

毎回授業終了後、新宿キャンパスの１２Ｆ講師室で30分待機している。

＜学生へのメッセージ＞

化学を志す学生諸君が、社会にでて少しでも役立つような授業を行いたい。この授業を聞いて、化学企業に就職して、日本の化学工業のためになる人材となって欲しい。

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。 Copyright(c)2009 Kogakuin University. All Rights Reserved.